【半沢会議#1】なぜいま「半沢直樹」なのか?

2013年に放送された池井戸潤さん原作の人気ドラマ『半沢直樹』のシーズン2が2020年7月からスタート!

 

なぜ2020年に古くさい演出のドラマを観るべきなのか、制作側の意図とは関係なく、個人的におもうことを脳内会議していきます。
 

 

ドラマ『半沢直樹』がファンからも不評な理由

 

銃をもつ女性のイラスト

 

新シーズンをみた視聴者の意見は賛否両論で、SNSでは酷評する声もあがっています。

 

不評の理由をまとめるとざっくりこんな感じ。
 

大袈裟、クサイ、展開飛び過ぎ、リアリティゼロ!

2020年にもなって、いまだに内助の功の上戸彩とか、飲み屋で気持ちよくさせてくれる井川遥とか、古臭い女性像がゴリゴリのまま。女性役員がでてきてもいいのに・・

バブル世代以前の人にしか刺さらない内容

 

などなど。20〜30代の若い世代から特に酷評されている印象です。

 

たしかに前作の放送から7年も経っているのに、原作に忠実なのか、時代背景を汲まずに相変わらず古くさい演出をしています。

 

私は28歳の女なので、年代やジェンダー的な視点からみるとドラマを酷評してもおかしくない身なのですが、「素晴らしいドラマだ!」とおもって楽しく観ています。

 

むしろ今の時代だからこそ放送している制作サイドの意図的なメッセージを感じるほどです。(真意はわかりませんが!)

 

不要不急の外出禁止の4連休がこのタイミングでここぞとばかりにやってきたので、前作も「パラビ」に登録して見返すくらいハマっています。

 

今だからこそ『半沢直樹』を観るべき理由

 

半沢直樹 イラスト

 

ここからは、私が今の時代だからこそ『半沢直樹』を放送した方がいいとおもっている理由を、SNSの酷評コメントとあわせて考察します。

 

リアリティがない

 

「実際の銀行とは乖離している」「喫茶店や飲み屋で聞かれてマズい内容をペラペラしゃべりすぎ」という意見をSNSで結構みました。

 

個人的にはドキュメンタリーではなくドラマなので、ある程度ブッとんだ展開は許容してもいいのではないかとおもいます。

 

総理と息子が入れ替わる『民王』のときも、「こんな政権ないでしょw」という感覚でみていましたが、本当にリアルな設定のドラマって冷めちゃうから実は需要ないとおもいます。

 

歌舞伎役者がキャスティングされて、悪役がわかりやすく「顔芸」をするあたり、もはやコメディにもとれます。狂言をみるように役者の演技にどっぷり浸かって楽しんでいいんじゃないでしょうか!

 

女性軽視している

 

フェミニストの考え方が日本でも広まりつつあります。私にはまだまだわからないことが多いので、フェミニズムの本を何冊か読んで、そのうえで前作を見直しました。

 

半沢直樹の奥さん(上戸彩さん)が夢を諦めて専業主婦になってからというもの、半沢直樹の帰宅時間にあわせて毎日5〜6品料理を用意していたり、壇蜜さん演じるキャバクラ嬢が自分のお店をひらくために愛人のお金を頼りにしたり、重役会議に女性の姿がなかったり・・

 

女性がいかに弱い立場にあるかということは、現実社会同様にドラマにも反映されていました。観る人はこれを自然ととるか不自然ととるか

 

女性のイラスト

 

「女はこうあるべき」という男性都合の理想像を植えつけるような演出に違和感を持った人は、誰かと話したりSNSで発信したりすることで考えるきっかけになるとおもいます。

 

SNSで声をあげやすく、ひとりの発信にもパワーがある今だからこそ、『半沢直樹』のわかりやすくて突っ込みやすい演出には意味があります。

 

バブル世代以前の人にしか刺さらない

 

バブル時代を生きた人なら、内容に違和感を持たずにドラマの中の時代背景を懐かしめるのかもしれません。

 

「合わない会社はガマンしないで転職すればいい」を地でいく平成生まれ以降にとっては、堅苦しすぎてスッと入ってこない内容

 

正直、完全に他人ごとドラマです。

 

だけど実際にドラマをみていくなかで、だんだん他人ごととおもえなくなってきました。

 

古くさい文化が残っている感じ、理不尽なことが都合よくまかり通る感じ、日本政権に似ている・・

 

安倍政権と半沢直樹

 

最初は古くさいドラマだとおもっていたけど、実際にいまの日本を動かしているのはこの古くさい世代なのであって、2020年の日本中枢を風刺する最新ドラマだとおもいます。

 

女性軽視などの「ジェンダー問題」についても、政府やメディアではまだまだ古くさい考え方が根深くはびこっています。

 

麻生太郎と岡村隆史のジェンダー差別

 

2020年になって人工知能がいくら発達しようと、4Gから5Gになろうと、バブル時代とかそれよりもっと前から古くさい考え方だけはずっと残っているから厄介なんです。

 

古いんです。昔ながらの秩序を大切にしていて、新しいことには柔軟になれないんです。それを『半沢直樹』を観る視聴者が「古い」とおもうことが大切なのではないかと考えます。

 

『半沢直樹』は日本の中枢の悪事を成敗するドラマ

 

半沢直樹のイラスト

 

『半沢直樹』は銀行が舞台となっていますが、銀行以外にもすべての巨大な組織に通じるものがあります。

 

本来「人々のくらしを助けるための組織」であるべきなのに、実際は自分の利益ばかりを優先させて、自分がのし上がるためなら犠牲をいとわないような人間がごろごろいる。

 

・人が亡くなっても説明責任を果たさずに自分たちに都合よくお金を動かす日本政権

・政治家とズブズブのつながりをもつ大企業

・真実を報じないで情報操作するメディア

・悪事を取り締まるふりをして悪事をはたらく警察官

 

日本を動かしているのは白に見せかけた真っ黒な組織で、半沢のように巨悪とたたかう人も実在しています。

 

『半沢直樹』は黒を「倍返し」にして白にひっくり返すドラマであり、古くさくてわかりやすい演出で観る人にメッセージを伝えるドラマなのではないでしょうか。

 

古くて新しいドラマ『半沢直樹』を観てできること

 

半沢直樹を観終わった家族のイラスト

 

私は映画を観たとき、自分で考察したあとで宇多丸さんや町山さんなどの映画評論家の評価や考察をききます。映画評論家は、世の中の水面下で起こっている理不尽な問題や、制作側がそれをどのように演出しているかを解説してくれます。

 

『半沢直樹』は日曜の夜にゆったり観るための娯楽ドラマだから深い考察なんて必要ないかもしれないけど・・

 

観たあとは「なんで半沢を観るとスカッとするのか?」「なにに対してモヤっとするのか?」など自然に感じとったことを、メモがわりにSNSで発信したり、家族や友達と感想を言い合ったりすることをおすすめします。

 

友達や家族と政治とか社会問題の話をゴリゴリに話すのは気がひけるけど、娯楽ドラマの感想の延長だったら話しやすいからです。

 

私は、アート・音楽・小説・漫画などの文化には伝えたいテーマがあって、なくても受け手が勝手に感じ取れるものがあるとおもっています。気軽に観て気軽に感じて気軽に発信することが大切です!