フェミニズムについて無知なアラサー女が、「82年生まれ、キム・ジヨン」を読了したので感想を残します!
あらゆる社会問題に漠然とした疑問をもっていたけど、わからないから発言することを控えてきました。でも、問題を無視するということは、問題を肯定しているということ。
私がいまフェミニズムについて思うことを記します。
もくじ
そもそもフェミニズム・フェミニストとは?
フェミニズムとは?
フェミニストは、フェミニズムに理解を示して男女平等をうったえかける女権拡張論者のこと。ジェンダーに関係なく、この考えを持つ人はフェミニストです。
フェミニストの有名人には、ビヨンセ、エマ・ワトソン、テイラー・スウィフト、ウィル・スミス、オバマ前大統領などがあげられます。
特に社会問題に対して意思表示をしないことが悪とされているアメリカでは、公言している有名人も多いです。
ビヨンセやテイラー・スウィフトは、楽曲や演出にも大々的にフェミニズムのテーマを取り入れています。

テイラー・スウィフトが男尊女卑ゴリゴリの“ウザ男”を特殊メイクで演じた「The Man」
日本でフェミニストを公言している有名人は少ない印象で、しかもフェミニストは“気難しい人”だと思われる節があります。
発信力のあるトップアーティストが社会的な発言ができるのは、本来のあるべき形だなーと思います。
フェミニストの悔しさがわからない私。
私の家は女系家族で、おばあちゃん、母親、私、すべて3姉妹。親戚の集まりでは、男性が圧倒的に少なく、大人しくて優しい男性が多かったです。(女たちがうるさすぎたのか?)
仕事でも女性と一緒に働くことが多くて、上司も同僚も部下もほとんど女性だったので、男性と仕事で切磋琢磨した経験が少ないです。
圧倒的に経験値が不足している or 鈍感すぎて気づいていないのどちらかなのか、フェミニズムを自分ごとにできていません。
実際に男尊女卑な発言をされて違和感をもったり悔しい思いをしたりしないと、活動や発信もできないから、私には発信できないです。
フェミニズム無知女が、「82年生まれ、キム・ジヨン」を読む。
……と思いつつ、話題となっている「82年生まれ、キム・ジヨン」を読んでみることにしました。
ざっくりとしたあらすじは、韓国に生まれて仕事、結婚、出産を経験するキム・ジヨンが、うつ病になってしまった理由を、時系列を追って振り返っていくというもの。
私がこれを読んだ感想は、「当たり前のことを淡々と並べているだけ」という感じ。韓国の当時の文化について知らないことも多かったけど、自分の生活とそんなに変わらなくて、違和感や問題を感じませんでした。
最後に「この本に登場する男性(夫以外)には名前がついていない」という一文を読んで初めて、著者がめちゃくちゃ怒っていることに気づきます。でも私はいまいちピンとこなくて、著者と同じ気持ちで怒ることができませんでした。
キム・ジヨンは男性にこそ響くフェミニズム本
私が読んだあとで恋人にも読んでもらって一緒に話したところ、彼は「女性の視点から見ると世界がこんな風に見えてるなんて、知らないことが多くて衝撃的だった」と言ってきました。
私から見えている当然に広がる世界は、もしや衝撃的な世界なのか……?
私はそこで初めて、自分が当たり前だと思っていることは実は、フェミニズムにつながっているのかもしれないと気づきました。
ある政治家が、韓国の大統領・文在寅(ムン・ジェイン)大統領に「キム・ジヨンを抱きしめてください」という言葉を添えて、この本を送ったのだそう。
実際に大統領に送った事例もあるように、もしかすると、この本は、女性じゃなくて男性に向けて書かれた本なんじゃないかと思います。
女性がいかに生きづらいか、その生涯を順をおって知ってもらうことが目的なのかもしれないと思いました。
淡々としているようで、悲痛な叫びにも似た“願い”が込められている本です。
フェミニズムは仕事を頑張っている人のもの?
正直フェミニストの女性は、出世欲のある人とか、仕事をバリバリやっているキャリアウーマン(バリキャリ)だと思っていました。
バリキャリな女性が男性からマウントを取られたり、出世の対象から外されたりして、悔しい思いをしているのを見たことがあるからです。
私は少ない収入でものうのうと暮らせてしまう人間なので、バリキャリ女性とは住む世界が違う気がして、フェミニズムについても、なかなか自分ごとにできずにいました。
「82年生まれ、キム・ジヨン」を読んだあと、「今夜もフェミテレビ」を観たり、笛美さんのnoteを読んだりして、わからないなりにフェミニズムについて理解しようとしてみました。
その結果、フェミニズムの問題は出世うんぬんとかの小さな話ではなく、男性優位の社会構図や人権問題なんだということがわかって、自分が例外ではないことに気づきました。
男性が悪い、女性が悪い、とかそういう問題じゃなくて、仕組みが悪いということ。仕組みのせいで偏見が生まれて、それが昔っから根強く残っているということに問題があります。
例えばこんなこと。
・ランドセルの色「男は黒、女は赤」
・女はお飾り担当
・女は子供を産まなければならない
・年収の差、昇格の差
男尊女卑に違和感を感じるキッカケは、「ヒールをはかなければならない」「男性にお酌をしなければならない」みたいなささいなことでもよくて、感じたときに「声に出すことで仕組みを変えたい」と思うならフェミニストということです。
それであれば、全女性フェミニストになりうる。フェミニストでない女性は私のように、フェミニズムについて知らない、気づいていないだけなのかもしれない。社会の一員である以上、知らずしらずのうちに、どっぷり関わっているのではないかと思いました。
歳を重ねて気づく、フェミニズムの考えかた
私はあらゆる問題に気づくのが遅かったです。本当にのんびりしていて、政治も男尊女卑も格差社会も、なにもかも問題の渦中にいる当事者意識がほぼゼロでした。それはそれは、おめでたい頭でなによりなんですけど……
ハタチのときに「82年生まれ、キム・ジヨン」を読んでいたら、どうだっただろう?と考えてみたけど、やっぱり自分ごと化できていなかったような気がします。
ハタチの頃は、なぁなぁでも楽しく生きていたかったし実際それでよかったけど、年齢を重ねるにつれて仕事・結婚について、嫌でもこれからのことを見つめることになる。
まだまだ未熟者であることには違いないけど、あらゆることがリアルになってきて初めて、問題を問題と捉えられるようになる気がします。
同世代の人と話して、考え方を深めてみたい!