はじめて「今半」でタンしゃぶ食べたらとろけた

 

 

タンしゃぶ発祥の代々木「今半」

 

 

しょこたんも行ってた…

 

仕事で自分が属しているチームが賞をとって、そのご褒美ディナーとして人生ではじめて老舗の牛鍋屋「今半」に行けた。

 

「今半」といえばすき焼きのイメージがあったけど、代々木の「今半」はしゃぶしゃぶの専門店だ。

 

なかでも国産牛のタンを堪能できる「タンしゃぶ」は、このお店が発祥らしい。

 

食事の最後、おもむろに登場したオーナーが話してくれたお店のこだわりとともに、本音レビューしていく。

 

タンしゃぶ発祥!代々木・今半流の食べ方

 

今半流・タンしゃぶの食べ方

 

その昔しゃぶしゃぶは、お金持ちしか食べられない高貴な食べ物だったそう。その証拠に、鉄鍋や土鍋ではなく「どう鍋」を使ってふるまわれ、他の鍋料理とは一線を画している。

 

そんな美しい「どう鍋」の中でグツグツと沸騰した湯に、ツヤのある薄切りの牛タンを4秒ほどさらす。

 

ミディアムレアにほどけた牛タンにカイワレを添えて、レモン・しそ・ニンニク・青さのりなどの8種類の塩でいただくのがベストな食べ方だ。

 

「ん〜〜!!! なんだこのしあわせの味は…!!!」

 

今半のタンしゃぶ「ん〜〜!!! なんだこのしあわせの味は…!!!」

 

そんなふうに思わず声がもれる美味しさ。やわらかいのに歯応えもあって、さっぱりいただける。

 

本来、臭みのある牛タンは、レモン汁で食べることが普通だ。そこを、「塩だけでいってくれ!タンから出た汁は飲んでくれ!」という潔さである。よほど質に自信があるのだろう。

 

たしかに臭みがないので、ここの牛タンなら苦手な人でも食べられるかもしれない。

 

A5ランクの和牛ロースも追加

 

A5ランクの和牛ロースも追加

 

1枚1300円くらい(?)するA5ランクの和牛ロースも1枚づつ追加注文した。(時給かよ)他のお店で食べたら、このクラスのお肉は倍の値段がするらしい。もはや怖い話だ。

 

顔ぐらいでかい和牛ロースをくるくると巻き筒状にしたら、3秒〜4秒ほど湯に沈めると、とろとろした一番いい状態でいただける。

 

「とっ…溶ける、これはプリンなのか…?」

 

今半のタンしゃぶ「とっ…溶ける、これはプリンなのか…?」

 

口に入れた瞬間から感動が始まる。

 

本当は生で食べるのが一番美味しいらしいけど、生食は色々うるさく言われるからサッと湯通しするのだそう。

 

どちらのお肉もおすすめだけど、ぜひ胃が元気なうちに和牛ロースに食らいついてほしい。

 

芯まで甘い。代々木「今半」の野菜へのこだわり

 

芯まで甘い。代々木「今半」の野菜へのこだわり

 

「お肉だけ食べれればいい」と思っていたけど、何を隠そう、野菜がうまい!!!

 

なんでも、80年ほどかけて発酵させた60℃くらいの温度の土で無農薬栽培している自家栽培の野菜だという。

 

アクが薄茶色で、湯がずっと透明でいられるのは、こだわりの無農薬野菜を使っているからなのだそう。(家で鍋をやるときにアクに黒いプツプツが出るけど、あれは農薬らしい…怖)

 

白菜の芯にはスジがなく「生食できるよ」というから試してみたら、みずみずしいリンゴのそれだった。3時のおやつで出てきても違和感がまったくないほどの甘さと満足感。野菜のポテンシャルに心底感動した。

 

野菜の種類は季節によって変わるようで、9月上旬から10月上旬にかけて旬になるキノコを目掛けて訪れるお客さんも多いそうだ。

 

代々木「今半」ならではの“シメの坦々麺”が最高

 

代々木「今半」ならではの“シメの坦々麺”が最高

 

あまりの美味しさに、22:30で閉店するというのに22:00頃まで一枚一枚を大切にお湯にさらしながら噛み締めて味わっていたら、「こっちは早く帰りたいんだ、早くシメのラーメン作らせろよ」といわんばかりに店員さんが現れ、全ての具材をイッキに湯に投入してきた。

 

「今まで一枚一枚を大切に噛み締めてきた自分たちはなんだったんだろう」と悲しくなるぐらいにあっという間にお皿がキレイになって、気づけば目の前に塩ラーメンと坦々麺の2種類のラーメンも出来上がっていた。(凄技すぎ)

 

中でも感動的だったのがゴマ坦々麺

 

さっきまでお肉をつけていたゴマダレに少しお湯をそそぎ、辛いソースとニンニク、炒めたひき肉を入れると、ゴマ坦々麺のスープが出来上がるのだ。

 

ただのゴマダレとしても十分に美味しいのに、一体何度美味しくしてくれたら気が済むんだろう。

 

代々木「今半」の食後のデザート・珈琲へのこだわり

 

代々木「今半」の食後のデザート・珈琲へのこだわり
飲みもののノルマすごい…

 

コースの最後は、コーヒーお茶と一緒に、みかんを使ったデザートが出てくる。

 

みかんのデザートはシャーベットのようなんだけど、シャクシャクしてて歯応えはふわふわしてて、食べたことないタイプの食感だった。

 

その不思議な歯応えは、みかんを丸ごとすりつぶすことで叶えているらしい。砂糖も入っておらず、みかん本来の甘みのみで勝負しているというから驚きだ。

 

珈琲は、香り高くて重ためなフレーバーだった。これは、強い酸味が苦手だというオーナーのために特別にブレンドされた豆でつくっているそう。

 

そもそも「しゃぶしゃぶには絶対に珈琲が合う」っていう発想が斬新だと思った。

 

オーナーいわく料理は科学なのだそうで、「私が知らないだけで、人間の舌がよろこぶ組み合わせがこの世にはまだまだ存在しているのかもしれない」と思うと、なんだかワクワクした。

 

最後に、代々木「今半」のこだわりを30分聞く

 

最後に、代々木「今半」のこだわりを30分聞く

 

散々急かされたので頑張ってドリンクのノルマも達成し、お腹がタプタプになった頃には閉店の時間になっていて、店内には私たち御一行しかいなくなっていた。

 

「ギリギリまでいて申し訳なかったね、さてそろそろでようか!」というテンションになったそのとき、「お味はいかがでしたか?」と恰幅のいいオーナーが現れた。

 

もしかすると、一口ひとくち噛み締めるたびに「なんじゃあコレはあああ!!!???」「うめええええ!!!!」と100点のリアクションをとる若者たちが嬉しかったのかもしれない。

 

そこから30分近く、お店のこだわりを話してくれた。(長)

 

正直「さっきまでの急かしはなんだったの?」と思ったし、途中で同じ話を2回繰り返したあたりから「あれ?もしかしてこの人酔っ払ってるのかな?」とも思った。

 

オーナーの後ろで、さっきラーメンを取り急ぎ投入してきた従業員さんが一生懸命鍋をこする音が聞こえてくるから、申し訳なさも増してくる。

 

けどオーナーの得意げで嬉しそうな表情を見ていたら、可愛くて素敵で、話の腰を折ることなどとてもできなかった。

 

しかも「さっき美味しく食べた料理の解説をご本人に直接していただけるなんて、なんと贅沢な時間なんだ」とも思ったし、内容を聞いていて純粋にとても楽しかった。

 

と思いきや話が終わったのか、「もう閉店時間だから帰ってよ」と言われた。(なにそれ)

 

最後はお見送りしてくれて、「ママが作った繰り返し洗えるマスク、持っていってよ!」と手作りマスクのお土産までくれた。(なんかもう色々可愛すぎる)

 

手作りマスクのお土産
雪の結晶柄…

 

ここから羽ばたいていく若い世代にもお店をご贔屓にしてもらうための絆は、こうして作るのか…そんな学びも得た気がした。

 

料理のこだわりを語ってくれるし、手際よく調理する様を近くで見られるしで、こんな贅沢なパフォーマンスはなかなかない。

 

ここ最近の私は環境問題を気にしていて、なるべく牛肉を食べない生活(※)を続けているわけだけど…牛肉への愛とこだわりを丸ごといただいたような気がして、この文化が失われることは結構悲しいことだと思った。(とはいえ環境問題の方が心配なので、家でわざわざ食べることはしないけど)

 

(※)牛は4つの胃を持つ反すう動物で、ゲップなどからメタンガスが発生する。メタンの温室効果は二酸化炭素の25倍。日本のメタンガス排出量の約30%が牛からでている。

 

水をさしてすみません…

 

でも牛は美味しい。美味しさはもちろんだけど、体験としても刻み込まれる食事だった。