北海道生まれ北海道育ち、寒そうな人はだいたい友達の道産子である私が、上京してから東京の人に通じなくて戸惑った北海道の方言をまとめてみます。東京の人に通じる方言と通じない方言があるので、「通じるレベル」を5段階のレベルごとに分けて紹介します!
もくじ
東京人に通じない北海道の方言【レベル1】
まずは、普通に通じるし突っ込まれることもないレベル1の北海道の方言をご紹介します。
「なまら」
なまら=とても、という意味があって、たとえば「なまらうまい(とても美味しい)」みたいに使います。
若い世代は「なま(ら)うまい」みたいに、「ら」を省略して、こなれたオシャレ感を出します。
進化系として、なんま・なんまら=とっっっても(なまらの最上級)、という意味もあります。
これらが北海道の方言ということは北海道にいたときから知っていたので、東京では使わないようにしたけど、使ったとしてもほとんど通じます。
「あぁ、北海道のひとだぁー!」となるのがちょっと面倒くさいから、私はなるべく使いません。
「しゃっこい」
しゃっこい=冷たいの意味。これも「なまら」と同じで広く知られている方言なので、通じないことはほとんどないです。
たとえば首に突然アイスをつけられたとき、「しゃっこ・・!」って感じで使います。
(どんな青春の1ページだよ)
「なんも」
なんも=なんにも、の意味。
たとえば謝られたときに、「なんもだよ。(大丈夫だから、きにしないで!)」みたいに使います。
粋なアニキみたいな人は、謝られたときに軽い感じで「なんもなんも」みたいに言って、「俺なんてなんにもしてないからそんなことで謝るな」みたいなニュアンスを持ちます。
謙虚なんだか、傲慢なんだか、よくわからない方言です。
「なんもだよ」はもしかすると通じないかもしれませんが、「なんも大丈夫だよ」くらい補足してあげればちゃんと通じます。
東京人に通じない北海道の方言【レベル2】
次に、人によっては「なにそれ?」と頭にハテナが浮かぶ、東京人に通じないレベル2の北海道の方言をご紹介します。
「はく」
はく=はめる、の意味で、たとえば「手袋をはく」みたいに使います。
もしかしたら「ん?はくって言った?」って思っているのかもしれないけど、まだ特に突っ込まれたことはありません。
短い言葉だし、人と人との会話にとってそこまで重要じゃないので、もし出ちゃってもあんまり気にしなくていいレベルです。
「なした?」
なした?=どうした?という意味。
対面で「なした?」と聞くぶんにはだいたい通じますが、LINEとかの文面で聞くと、東京の人は一瞬ハテナ?になるみたいです。
ネコと絡んでいるときとかに「なしたの~?」と聞くふしがあって(私だけ?)、「どうした?」をさらに優しくしたようなニュアンスかなと勝手に思っています。
「〇〇っさ」
〇〇っさ=〇〇です、の意味で、「いま本読んでたっさ(いま本読んでたんだぁ~)」みたいに使います。
応用編として、〇〇ださ、〇〇だっさ=〇〇なんです、も使います。
「〇〇っさ」と使い分けるときのニュアンスが微妙に違ってて、「〇〇ださ」は自分の意見を伝えるときによく使います。
たとえば「この本好きださ(好きだっさ)」(この本が好きなんだよねぇ~)みたいな使いかた。
これらを少しでも東京で使うと、めちゃくちゃバカにされるので注意が必要です。
私の場合クチグセになってたので、外れるまでにかなり時間かかりました。
「なまら」は意識して言わないようにできるんだけど、「〇〇っさ」は気づいたら無意識に出ている。
東京人に通じない北海道の方言【レベル3】
東京の人に言うと、もしかすると勘違いされてしまうかもしれない、通じないレベル3の方言をご紹介します。
「投げる」
投げる=捨てるの意味で、「ゴミ投げ(ゴミ捨て)」みたいに使います。
エステで働いていたとき、使用済みのパックを「これ投げといて」ってスタッフに渡したら、更衣室の床にベチャッと張り付いていたことがありました。
たぶん本当に“投げた”んだと思います。
通じない人には本当に通じない方言だと思いました。
「うるかす」
うるかす=水につけることをいいます。
たとえばご飯を食べ終わったあとに「お皿うるかしといて」みたいに使います。
もともとは米を水に浸すことを言ったみたいですが、皿をうるかすほうが頻繁に使ってた気がします。
いずれにしても、東京の人に「うるかしといて」と言うと一瞬フリーズします。
東京人に通じない北海道の方言【レベル4】
東京人に言うとさすがに「なにそれ?」と聞かれてしまう、本当に知る人ぞ知るレベル4の方言をご紹介します。
「点きる」
トランプをよく混ぜあわせることを「点を切る」といいます。
両手でシャッシャッとトランプの束をぶつけながら混ぜあわせる方法を主にさしている気がする。
そしてなぜか、点を切る行為は「カッコいい」「イケてる」みたいな文化がある気がする。
「〇〇ささった」
〇〇ささった=意図せずにそうなってしまった、という意味です。
例えば「押ささった」なら、たまたまヒジがボタンに当たっただけで、押したのは自分のせいではない、という意味もあります。
私の場合、カラオケで歌がヘタな人の番がきたときに「演奏停止」をわざと押して、「すみません、押ささっちゃいました!」と言います。
だけど「押ささった」のニュアンスが全然伝わらないので、ただただ性格悪い女扱いされます。(本当はわざと消してて本当に性格悪いから何も言えない)
逆に本当は押したいのになかなか押せないときは「押ささらない(頑張ってるのになかなか押せない)」と言います。
押ささったのほかにも、「見らさった(見るつもりはなかったけど目に入った)」「書かさった(書くつもりはなかったけど結果書いてる)」などなど、〇〇ささったは日常的によく使います。
東京人に通じない北海道の方言【レベル5】
東京の人に話すと、「宇宙人あつかい」されてしまいかねない、レベル5の方言をご紹介します。
「サビオ」
サビオ=絆創膏のこと。
もともとサビオという商品名の絆創膏があったようで、言いやすいから定着して方言になったんだと思います。
エステのとき指を切って、「サビオありますか?」と聞いたら、なぜか大爆笑されました。
笑ってる場合ではない、現場に血が流れているんだ。
と思ったけど、サビオってたしかに響きが結構おもしろい。
「メッパ」「いずい」
メッパ=メバチコのことです。
「メッパがいずい」と言っても、東京のほとんどの人には通じません。
「え、なに今の、呪文?」となります。
ちなみに、いずい=鬱陶しい、むず痒いみたいなニュアンスの方言で、体になにかしらの障害物があるなどフィット感がないときに使います。
「ゴミステーション」
東京にきて一番驚いたのが、ゴミが道路にそのまま出ていること。
カラスがぐちゃぐちゃに漁ろうが、匂いが充満しようが、基本的には道路にゴミが広範囲に広がっています。
やるとしてもネットをかぶせるくらい。
「ゴミステーションないんですね」と聞くと、「ゴミの駅ってなにwww」と結構笑われてしまいます。
ゴミステーション=ゴミを入れる箱みたいなもので、北海道では各区域に設置されています。

北海道は雪が多いから、もしかしたら冬を乗り越えるためにあるのかな?
北海道の方言と大陸に対する意識はヤバい。
東京にきてから、北海道で標準語だと思って使っていた言葉が通じなかったことは結構ありました。
それでも東京の人は空気をよんで、方言の内容をなんとなく汲んで動いてくれます。
ちなみに、東京の人に地元の話を聞かれたときに、「峠を越えて服を買いに行っていた」というと「昔話?」と言われて結構ウケます。
実際に車で峠を越えて、2~3時間かけて街にでていたし、冬になると峠が一面雪で覆われて「ホワイトアウト」している中を車で走って、「あれ、ここ天国かな」と錯覚することもありました。
死にものぐるいで街に繰り出していたわけです。
いま思うと本当に地元の人の精神力って素晴らしい。
軽い気持ちの夜のドライブで5時間かけて函館まで行ったこともあるけど、東京から5時間あれば三重県までいけるらしいです。
東京の人が三重県まで行くなんて、何日も前から計画する大冒険なわけですよ。
それを「朝ごはん函館で食べたくない?」みたいな軽いノリだけで、即興で決めて函館までいっちゃう精神力。(若さもあったのかな・・)
方言はもちろん違うけど、そもそもの大陸に対する感覚が違うのもおもしろいですよね。