架空のペットの服で部屋が燃えた話。

 

架空のペット(犬)の人形を本物のように可愛がる小学校時代

 

犬の人形を本物のように可愛がる小学校時代

 

小学生のとき、ペットを飼うことがクラスでブームになっていた。

 

ジャンガリアンハムスターを飼っている友達とか、ダックスフントを飼ってる友達の家に遊びに行くたびに、ペット欲が強くなっていた。

 

だけど私の家にはネコがいたから、親に言ってみたけど、ジャンガリアンハムスターもダックスフントも飼えないと言われた。

 

そのあとも私があまりにもしつこいからか、ダックスフントの人形を手に入れることができた

 

、ダックスフントの人形

 

毛足の短い薄いブラウンのダックスフントは、縫い付けられたビーズの目がキラキラと光っていて可愛かった。

 

私はただでなくても人形に感情移入するタイプの子どもだったから、その犬についても、もれなく本物のペットのようにカワイがっていたことを覚えている。

 

(名前もつけていたけど、忘れちゃった!)

 

当時よく家に遊びにきていた友達は、ついこないだ「たしかメルじゃなかった?」と言っていたけど、架空のペットにそんなメルヘンな名前をつける自分の浅ましさに悲しくなる。

 

私はとっくに消した黒歴史だったけど、友達にとってはインパクトが大きかったのだろう。

 

名前までしっかりと記憶されていて恥ずかしい。

 

架空のペット(犬)の服づくりをすることに

 

架空のペット(犬)の服づくりをすることに

 

小学校で授業を受けているときに、犬の人形に対して服をつくることを決めた。

 

お姉ちゃんがゴミに出そうとしていたブラウス・デニムから、生地とかレース・ボタンなどの装飾を切り出して、縫い合わせた。

 

服を縫ってる時間が本当にしあわせで没頭していたし、実際に犬に着てもらうと、結構似合っていた

 

それから何日かかけて、いろんな種類の服を縫うようになった。

 

ただし、架空のペットを飼ったことは家族も友達も知っていたけど、服を縫ってることは内緒にしていた

 

友達が遊びにくるときは、いちいち服を脱がせていた。

 

誰にも知られたくない、自分ひとりの世界だと思っていたから。(救いようのない根暗)

 

そのくらい、犬に服を縫って着せる時間は、自分にとって特別なものだったのだ。

 

架空のペット(犬)の服を、ケースに収納して保護する

 

架空のペット(犬)の服を、ケースに収納して保護する

 

ネコ(本物)も、服を着た犬のことを遠くからジーッと見てた。

 

縫うスピードも上がって裁縫のクオリティもだんだん上がってきたから、数か月で10着くらいつくれた。

 

だから、鍵つきのケースにギンギラ銀のテープを貼って、縫った服はその中に収納していくことにした。

 

存在感のある見た目のケース(しかも鍵つき)に、ワクワクした。

 

授業中もデザインや素材のことを考えたし、服づくりに余念がない状態だった。

 

正直、友達と過ごすよりも、家でよなよな架空のペットの服づくりをする時間の方が好きだった。(どんな小学生)

 

独り芝居のようなことをぶつぶつ呟きながら、薄暗い部屋で架空のペットの服を縫う小学生。

 

かなり不気味だけど、それだけが私の生きがいだった。

 

そしてボヤ騒ぎが起こる。

 

そしてボヤ騒ぎが起こる。

 

冬の寒い日。

 

北海道の冬といえば、家の中では半袖で過ごせるほどホッカホカに温めるわけだけど、私の家は結構寒かった。

 

私の部屋では360度に熱を放出する、円柱タイプの灯油ストーブをつけていて、ストーブの上にヤカンを乗せるのが鉄板だった。

 

しかしその日、私はなぜか、ヤカンではなく、大切な大切な「銀のケース」を置いたままストーブをつけたのだ

 

なんでそんなことをしたのか、理由は覚えていない。

 

ヤカンっぽいサイズ感と色味で、勘違いしたのかもしれないし、乗せていることをすっかり忘れていたのかもしれない。

 

でもとにかく、気づいた。

 

「なんか、クサイ」

 

ヤバいものが燃えているときの匂いってあるじゃないですか?

 

あ、これ絶対カラダに悪い匂いだ、ってすぐにわかる匂い。

 

アレです。

 

あの匂いが鼻をついて、「ヤバい」って振り返ったときには、結構火が燃え盛ってた。

 

そのあとテンパってしまって、どう処理したか覚えてないけど、多分泣きながら家族に助けてもらった気がする。

 

そのときに服づくりしてたこともバレて、死にたくなった気がする。

 

幸い、火事になるでも誰がケガするでもなく幕を閉じたから、笑い話になったが。

 

あんな田舎で火事にでもなったら、大変だ。

 

「妹の〇〇ちゃんが架空のペットの服を入れてるケースをストーブの上に置いたままにして家事になったんだって!」なんて近隣住人にいわれた日には、私は銀色のケースとともに溶けて消えてる。

 

本当にどこまでも頭が弱くて自分で自分が悲しくなるけど、そういうことを急に思い出したので記してみた。