パワハラ上司に悩んでいませんか?「言いにくいけど実は俺も…私も…」という方も少なくないのではないでしょうか?今回は、生まれて初めてパワハラ上司と闘った私が、パワハラ対策や心がけたことなどを実話ベースでご紹介。珍しく、今日は真面目モードです。パワハラで辛い思いをしている方が読めば、少しでも気持ちが軽くなるはず…!
パワハラ上司の対策法に正解はない!
先日、勤めていた会社をやめました!
仕事はやりがいがあって好きでしたし、パワハラ上司さえいなければ人間関係も良好で、とても環境のいい職場でした。
でも、パワハラ上司とずっとお付き合いしていくよりも、新しい環境に飛び込んで空気を変えることが今の自分の心の健康に繋がると思いました。
早速腰を折るようですが、パワハラ上司の対策に正解はありません。自分がどうしたいのか、それを実現することが正解です。
ですが、「もう会社に行きたくない!」とふさぎこんだり、辛く苦しい思いをしたりするのを半減させることはできます。
実際に、私にパワハラをしてきた女性上司・Sさんを例に対策方法をご紹介していきますね!
パワハラ上司Sさんの被害者①:真面目で優しいOさん
もともとパワハラ上司Sさんが入社するまで、メディアの編集長をしていたOさん。穏やかな話し方と丁寧な仕事で、誰からも好かれるような女性です。
パワハラ上司Sさんが編集長として入社後は、部署の2番手のサポート役として、編集長とライターの橋渡しをしてくれていました。
「なにこの仕様、この会社ほんっとイケてない!」
「〇〇さん、ほんと使えない」
「バカなんじゃない?ありえないんだけど!」
デスクではもちろん、会議室からも漏れてくるほどの狂騒を、月曜日の朝から浴びせられ続けたOさん。徐々に病気がちになっていって、1ヶ月ほどで来なくなってしまいました。
パワハラ上司Sさんの被害者②:堅実で聡明なMさん
Oさんの後任は、フェミニンなルックスとは裏腹に頭がキレキレの女性・Mさん。なんと恐ろしいことに、Mさんは入社翌日の歓迎会の帰りに、強烈な発言をおみまいされたのだそう。
「Mさん、この仕事の才能ないからやめれば?」
たとえ酔っていたとしても、ふつう言っていいことと悪いことの分別はつきますよね。「分別つかないなら飲むな!」と一括してやりたくなる衝撃的なエピソードです。
Mさんはその日に「あ、やめよう」と決意したのだそう。上長にかけあった結果部署移動となり、その後早々に退社しました。
パワハラ上司Sさんの被害者③:「NO」が言えない私
ミスが続くのは誰のせい?
私はパワハラ上司Sさんの目の前の席に座っていました。ある朝、編集メンバーが会議室に集められて、私のミスがきっかけで先方からクレームがきたことを知らされました。
「なんでこんなミスするの?ふつうにやってればこんなミスありえないから!」
言い方はきついものの、たしかに私から見ても初歩的なミスだと感じたので、そのあと真剣に原因を考えました。
目の前で電話先の相手に浴びせる罵詈雑言とか、独り言のつもりでもこっちまでしっかり聞こえてくる愚痴とか、ものを乱暴に扱う音とか態度とか…
正直、目の前の席のパワハラ上司Sさんに無意識のうちに気が散っていること以外原因が考えられませんでした。
ついに上長に相談!耳栓を買う
編集部の上長は海外に暮らしているので、基本は社内の様子をわかっていません。その状況もまずいと思ったしもう限界も近かったので、ついに上長にチャットで相談。
上長はその翌朝すぐに、パワハラ上司Sさんに伝えてくれました。そこから数日、気持ち悪いくらい私に対して気を遣ってくるSさん。
でも数日もたてば、なにもかも元どおりに。雰囲気はサイアクで、編集部からまたしても2名が退職していきました。創業時からいる、会社に慣れ親しんだメンバーですらもやめてしまったのです。
私語をしたら「仕事をしてない」とみなされる風潮なので必要なこと以外は話せない、無理な裁量のタスクばかりが溜まっていくので休憩も取りにくい。だからみんな無になって個人プレイ。
「これなら家で作業したい…」
毎日本当につらかった…。「大丈夫、慣れる!」と自分に言い聞かせてきたけど、もう限りなく限界に近くて、発狂しそうでした。
「次いやなこと言われたら、耳栓をいつでもしていいんだよ」という気持ちで、お守りがわりに耳栓を買って引き出しにしまいました。口頭で突然の指示が多くて結局できませんでしたが…。
通勤電車でパニック障害に
週明けの月曜日の通勤電車、さっきまでふつうに本を読んでいたのに、突然頭が真っ白になって強烈な吐き気が襲ってきました。
「やばい、倒れる…」
駅のホームになんとか降りて、意識が朦朧とするなかトイレに駆け込むと、吐き気と腹痛とともに変な汗が滝のように流れてきました。この世に空気がなくなったのかと思うくらい、息ができない。
「死ぬんだ…私、死ぬんだ!駅のトイレで死ぬなんて…最後まで恥ずかしい人生だった…」
大げさではなく、本当にそう思ったんです!しばらくすると呼吸が落ち着いてきたので、立ち上がって手を洗いました。
鏡に映った私は、毛穴という毛穴から汗が吹き出ていて、顔色も悪くて、私ではないなにか他の生きものに見えました。
病院にいくと「過換気症候群」だと言われました。パニック障害のひとつで、ストレスからくるもののようです。心当たりはアレしかありません。
そこから一週間くらい、仕事から帰るとアロマを焚いてヨガ・音楽・泣ける映画・笑えるお笑い番組など、感情を安定させるためのありとあらゆるハッピー責めをしました。
でもダメだった。駅とか電車とか、人がいるところにいくとまた息苦しくなってきます。日常生活のなかのどこにいても、誰といても、息がしづらいんです。
心療内科に行ってみた
生きにくいので、ついに心療内科にいく決意をしました。カウンセラーの人と話していると、思いの丈がポロポロと湧き出てきます。
そこで意外な発見がありました。私はパワハラ上司Sさんの口調や態度だけにストレスを感じていたのではなく、自分に対してもストレスを感じていたのです。
「なんでこんなこともできないの?」と言われたら、「ああ、私ってほんとなんでこんなこともできないんだろう?」という具合に、パワハラ上司Sさんというフィルターを通して、自分を責め続けていたのです。
本当に自分を守らなきゃいけなくなったときに使おうと思って、念のために診断書ももらいました。
楽観的でちょうどいい
メンタルクリニックの帰り、経営者のカップルと夜ご飯。過去にこんなもんじゃない、たくさんの壮絶な苦難を乗り越えてきた話を、面白おかしく話してくれました。
「私とこの人は根本から違うけど、自分を肯定することは真似できるかもしれない!」
ネガティブな気持ちになりそうなときに、無理にでもポジティブな言葉を自分にかけることにしたら、息がしやすくなっていきました。
そして退社
それからの私は、あっけらかんとしていたと思います。理不尽なことを言われたら、理由や意向を納得できるまで聞くようにしました。
パワハラ上司Sさんからすれば、「ずっとペコペコしてた奴が反抗的だな、何か企んでいるのかな?」と思われていたかも。
ある時、パワハラ上司Sさんが怪我をして1ヶ月間休むことになりました。その時に代理で編集長をやってくれた他の部署の人が、Sさんの作業フローのやり方を知って驚愕。
「え…こんなフローでよく回ってますね…全部リセットして立て直しましょう!」
その言葉を聞いて正直ホッとしました。性格難はあれども知見のある人だと思って誠実に対応してきたけど、その価値のない人だとわかったからです。
「これで、悔いなくやめられる…!」
振られたタスクを素早く完璧にこなして、退社までの時間を積みました。そして退社という門出を迎えたのです。
パワハラ上司にするべき対策
上長に相談
パワハラをするような人は、会社にとって負債です。相談すれば、何かしらの対策をしてくれる可能性があります。
私の場合、相談しても特に変わりませんでしたが、パワハラ上司Sさんの社内評価はダダ下がり。大きい会社だったら、左遷も全然あると思います!
パワハラ上司に直接考えを聞いてみる
理不尽なことを言われた時は、理不尽なことをなぜ言おうと思ったのか、聞いてみるといいです。感情的になるのはNG。「それって本当にユーザーのためになってる?」という視点から、真意をひきだします。
何度か繰り返すと、「こいつめんどくさい」または「こいつユーザーのことちゃんと考えてる」というイメージを植え付けることができて、いつしか標的から外れます。
最悪「うつ診療」を匂わせる
精神が崩壊しそうなほどパワハラ上司のために身を削っている人は、パワハラの証拠を集めたり診断書をもらったりして会社を訴える場合もあるようです。
ただし、それはそれで体力を使います。「相手にどうしてもどうしても打撃を与えたい!」という場合でない限りは、辛く苦しい闘いになるかもしれません。
上長にこっそり「実はメンタルクリニックに通ってて…」とそれらしく匂わせるだけでも、会社側が対策してくれる可能性があるので、まずはジャブを打ってみるのがいいと思います。
パワハラ上司をあしらうための心がけ
いちいち気にしない
パワハラ上司の発言に特に意味はありません。相手のことを不快にさせるような発言を、これまで生きてきた人生の中で多用してきていて口癖になっているだけです。
気にしいな人には難しいかもしれませんが、相手の言ってきたことに対して敏感にならずに「言わせとこう」ぐらいのスタンスでいるのがオススメです。
紙に書く
メンタルクリニックで教わったテクニックなのですが、紙に「いつ、どこで、誰に、何を言われて、その時どう思ったのか」を逐一メモします。
混乱している自分の頭の中を整理してアウトプットすることで、客観的になれたり悩みの種を発見したりできるのだそう。
私も3日ぼうずではありましたが書いていました。たしかに幽体離脱した気持ちで第三者の目になって冷静に現状をみることができましたよ。
本を読む
「頭に来てもアホとは戦うな!」。パワハラ上司Sさんと出会ってから、パワハラ関連本をいくつか読みましたが、こちらの本が実践的でオススメ。
本でなくても、ラジオでもTVでもyoutubeでも、ふさぎがちな心を前向きにしてくれるような言葉に出合える手段を持つといいです。
自分にポジティブな言葉をかける
これは、パニック障害の期間に本当によく心がけて実践していた方法。思った以上に効果があるし、即効性がある!
「まあ、なるようになるさ!」
「よくやったぞ、自分!」
「休んでも大丈夫」
褒めて気分をあげたり、安心したりできるような言葉を、自分自身にかけます。言霊はあって、本当にそう思えてくるから不思議です。
パワハラ上司に耐える必要なんてない

「パワハラに悩まされているけど、今の環境から何かを変えることの方がリスクに感じる」という人もいるかもしれません。
正直、パワハラのせいで仕事のパフォーマンスが下がって、やりがいも感じられなくなることの方がリスクだと思います。
実際私もパワハラ上司Sさんからおいしいお仕事をもらえそうでありましたが、心の健康を選びました!
自分が「嫌だな、合わないな」と思う人と毎日顔を合わせて、なんならペコペコしなきゃいけない環境は、思っている以上に心をすり減らしますよ。
退社日に未使用の耳栓を隣の席の人にあげたとき、「ついに解放された…!」と感奮しました。
私はこの後、さくらの木の下で読みたかった本をゆっくり読んだり、好きなアイドルのイベントに行ったりと、自由に過ごす予定です。
パワハラ上司Sさんとの出会いも意味のあるものだったといつか懐かしめるように、パワハラに悩んでいる人もいつか笑い話にできますように…!