2020.9.22まで、三菱一号館美術館で会期中の「画家が見たこども展」に行ってきました!
主にポスト印象派〜ナビ派の画家が描く、こどもをモチーフにしたアート作品が100点ほど集結しています。
代表的な作品や感想、この展示の楽しみ方をアートファンなりにまとめます。
もくじ
「画家が見たこども展」で見るべき代表作
「画家が見たこども展」の目玉になっている代表的なアート作品をご紹介します。
ルノワール「ジュヌヴィエーヴ・ベルネーム・ド・ヴィレール」(1910年)
19世紀末、パリの老舗画廊を経営する裕福な家庭の3歳の娘を描いた作品。
色がきらびやかで、宝石みたいにキラッキラしていました。
小さな食器を使って、おままごとをしているのでしょうか?
ゴッホ「マルセル・ルーランの肖像」(1888年 )
ポスト印象派を代表する画家・ゴッホが描く、たくましすぎる赤ちゃん。
南フランス・アルルの時代に描いた作品です。
郵便配達人のジョゼフ・ルーランの娘をモデルにしています。
似てますかね・・?
ゴーギャン「マナオ・トゥパパウ(死霊が見ている)」(1892年)
ロリコンで知られているゴーギャンが、愛人の少女を描いた作品。
少女が横たわるベッドの背後には、得体の知れない怪しいなにかがうごめいています。
闇が深くてゾクゾク!
ボナール「家族の情景」(1893年)
「日本かぶれのナビ」と呼ばれるボナールは、日本の浮世絵に影響を受けた作品をいくつか残しています。
赤ちゃんの表情がいいですよね。
実際、日本の浮世絵には、赤ちゃんとかこどもをモチーフにした作品が結構あるみたい。

展示の最後の章には、ボナールが晩年に描いた作品も展示されています。
歳をとると、こどもの記憶が返ってくると聞いたことがあります。
ボナールも晩年は、こどもをモチーフにした作品を描いています。
雄牛の目が充血してところなどを見ると、こどものかわいらしさだけじゃないメッセージ性を含んでいるようです。
ドニ「赤いエプロンドレスを着た子ども」(1897年)
ドニは9人の子どもたちをモデルにした作品をたくさん残しています。
「赤いエプロンドレスを着た子ども」も、お花畑でほほえむ長女のノエルがモデルです。
色使いがキレイ!
ヴァロットン 「エトルタの四人の海水浴客」(1899年)
風刺アートを得意とするヴァロットンは版画のイメージがありましたが、油絵がすごくよかったです!
海でこどもに泳ぎを教える、とある海水浴客の家族を切り取った写真。
海がスライムみたいにもっちもちで全体にずっしりとした重たさがあって、見ていて楽しいです。
ちなみに、ヴァロットンの版画に登場するこどもにまぎれられる、フォトスポットもあります。

警察に連行される先生(?)を野次馬心に追いかける意地の悪そうなこどもたちが描かれています。
こどもが興味のわく関心ごとは遊びやおままごとだけじゃないという、こどもの危うさを感じる作品です。
「画家が見たこども展」の感想
「画家が見たこども展」は、画家が“こどもというモチーフ”をどんな風に捉えていたのかを覗き見れて面白かったです。
ドニやボナールのように、自分のこどもや親戚のこどもを愛情を持って描く画家もいれば、カリエールの「病める子ども」のように聖母マリアとキリストを思い描いたり、ヴァロットンやゴーギャンのように“こどもらしくないこどもの一面”や“こどもの危うさ”を描いたりする画家もいます。

同じこどもでも、画家の視点によって切り取られる描写が違っているのがおもしろいです。
こどもやその親(こどもを取り巻く周りの大人)の表情や動きにも注目して見てみると、新しい発見があると思います。
三菱一号館美術館がカッコいい・・
個人的には初めて「三菱一号館美術館」に足を踏み入れたのですが、洗練されたクラシックな建物がカッコよくて、そこにいるだけでワクワクしました。
建物も絵も、古いものがキレイな状態で残っていることにロマンを感じます・・!
カフェバー「Café 1894」×「画家が見たこども展」コラボメニュー
もともと銀行の営業所を改装したカフェバー「Café 1894」は美術館に併設されていて、美術館の余韻を楽しむのにうってつけです。
半沢直樹のロケ地でもあります。
会期中は、「画家が見たこども展」のコラボスイーツが登場!
ドニの「赤いエプロンドレスを着た子ども」をイメージした彩りのスイーツです。
かわいい・・!
美術館帰りに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。