深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」行ってきた【感想レビュー】

上野の森美術館で2022年1月31日(月)まで開催中の深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」に行ってきたので、感想・レビューを残します!
 

 

深堀隆介さんが「金魚」を作品モチーフにしている理由

 

 

金魚養画場・美術作家の深堀隆介さん。

 

“金魚”をモチーフにした作品を作り続けている作家ですが、そもそもなぜ金魚なのでしょうか…?

 

アーティスト活動に悩んでいたあるとき、放置していた水槽で生き続ける金魚の美しさに心を打たれて、金魚を描きはじめたのだそう。そしてこの体験を「金魚救い」と呼んでいるのだそうです。

 

この金魚救いという言葉を思いついたときの「ピタッとハマる言葉ができた!」と高揚する感覚をなんとなく想像できて、こちらまで嬉しくなるようなエピソードです。

 

深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」個人的ハイライトと感想

 

まずは作品を見てください!

 

深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」個人的ハイライトと感想

 

金魚を生きたまま彫刻にしたようなリアルさと、漂う情緒が感じられます。

 

このリアルな立体の金魚をアクリル絵具で描いているというから驚きです。何が起きてるのか、ほとんど意味がわかりません。

 

どのように作られているかというと、樹脂を流し込み硬めたところに絵具で金魚の部分を描き、また樹脂を重ねて硬めて、その上に絵具を重ねて描く…これをひたすらに繰り返して、立体的な金魚やツヤのある水面を再現しているのだそうです。

 

樹脂の層が織りなす絵画作品ともいえそうですが、完成形を見ると「彫刻?インスタレーション?」と、絵であることをつい忘れてしまいそうです。

 

もちろん絵画作品もあって、こんな大胆な金魚も描いています。

 

金魚 絵画

 

まだ売れていない頃は、ドローイングやTシャツを売ったりして生計を立てていたそうで、その頃の作品も展示されていました。キレイな部分だけじゃなく、未完成な作者の歩みを知れるのも面白い展示だと思いました。

 

金魚の作品

 

枡に入っている立体の金魚はスタンダードな作品のようで、他にもタンスの引き出しに入っている金魚やひっくり返した傘に入っている金魚、鳩サブレのプラケースに入っている金魚など、アイデアが輝く作品がたくさんありました。

 

個人的に好きだったのは、春夏秋冬・四季の金魚。

 

特に冬の寒いひ、氷をはった桶の中で、金魚が寒そうに身を寄せ合っている作品が好きでした。

 

金魚は集団?で動く印象があるけど、季節によって動き方がちょっとづつ違っているそうです。

 

動きをじっくり観察して作品を作る時間に作者の愛や金魚の生命力を感じました。

 

展示の最後、「金魚救い」を思わせるこんな作品もありました。

 

金魚救い 金魚救い 金魚救い

 

懐かしき、お祭りの金魚すくいが再現されています。

 

ミラーボールがギラギラと底抜けに明るくて、逆に少し寂しい感じがしました。

 

深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」は、ずっとワクワクできる展示

 

金魚って日本的なモチーフだから誰もが懐かしさを感じるけど、アイデアが次元を超えているから、ずっとワクワクしながら展示を回れました。

 

私がこの展示で初めて知ったことは、「絵画・彫刻・インスタレーションは横断できるんだ!」ということ。

 

まさにこれがこそが現代アートの楽しいところだと勝手に思っているんだけど…昔ながらのモチーフだとしても、固定概念を打ち破って自由な表現を追い求められるところが面白いと思います。

 

限界をつくらずに腐らずにアイデアをふくらまし続けると、こういう面白い発想の作品が作れるようになるんだな…と、作品を通して1人の作家の人生を見せてもらったような気持ちになりました。

 

もはや歩けるドキュメンタリーです。

 

2022/1/31までなので、お近くの方はぜひ行ってみてはいかがでしょうか?