1993年に公開され、カンヌ国際映画祭でカメラドール・セザール賞をとったベトナムの映画『青いパパイヤの香り』を観ました!
ひかえめにいって「も〜〜最高〜〜〜余韻でご飯を食べれる・・」という感じでしたので、あらすじ・みどころ・感想レビューを残します!(※一部ネタバレあり)
もくじ
ベトナムの映画『青いパパイヤの香り』監督と出演者
「センス抜群な監督」と「キュートな主人公」にも注目です!
監督
監督のトラン・アン・ユン(現代の正しいベトナム読みでは「チャン」)さんは、ベトナム出身でフランス・パリ育ちなのだそう。
2010年には村上春樹さんのベストセラー小説が原作の『ノルウェイの森』を公開。
パリ育ちとあってか、オッシャレな映画撮ってますよね。
主人公「ムイ」役
主人公は「ムイ」という少女。
素直でピュアでもの覚えもよく、動物や人間への思いやりもあって、何よりもかわいい女の子です。
幼少期の「ムイ」をルー・マン・サン、成長後の「ムイ」をトラン・ヌー・イエン・ケーが演じています。
幼少期のムイちゃん、めちゃくちゃかわいいです!
そして成長後のムイ役の女優さんは、まさかの同監督とご結婚されているそう。
監督は結婚後も、奥さまを自分の作品にたびたび出演させています。
LOVE LOVEかよ!!!
ベトナムの映画『青いパパイヤの香り』あらすじ
舞台は1951年のベトナム・サイゴンです。
田舎から出てきて、お金持ちの使用人として雇われる10歳の少女・ムイは、あろうことかお金持ちの音楽家に恋をしてしまいます。
恋愛の描写も素敵ですが、それ以上に、使用人として使える家族との人間模様が見ものです。
ベトナムの映画『青いパパイヤの香り』感想・レビュー
それではここから、ネタバレありでよかったポイントを3つピックアップしてレビューをしていきます!
① 目・耳・口(?)五感で楽しめるアート作品
もう、観はじめ5分でひきこまれる魅力があります。
草木・カエル・鳥・虫の鳴き声・料理をする音・楽器を弾く音・雨・・
ありとあらゆる心地のよい音がずっと流れています。
もう、ヒーリングミュージックとしてBGMとしてかけておきたいレベルで気持ちよい。
ムイが料理を作るんだけど、それがまた美味しそうで、香りも漂ってくる気がする。
ジブリの料理シーンの興奮ふたたび!ってくらい興奮します。
とにかくすべてにおいて丁寧に作られています。
映画『ROMA』と似た感じの世界観で、言葉数が多くなくても映像だけ観て楽しめるアート作品です。
② ゴリゴリの人間ドラマ
ラブロマンスだと思って油断して観ていると、とんでもない人間ドラマでした。
格差問題・嫁姑問題・女性蔑視・教育など、色々な社会問題も浮かび上がった気がします。
特に富裕層の家族の長男が、虫や動物を殺すことで発散していたり、次男がムイに困らせるようなイジワルをしたりするシーンが印象的でした。
退屈なのか、プレッシャーを感じているのか、窮屈さを感じているのか、寂しいのか・・?
表面的には「いいこ」なのに、人のみてないところで悪さをしかける感じがリアルでした。
③ 緊張感のある恋愛シーン
ムイの少女時代・成長してからの片想いのシーンは、キュンとする暇もないくらいピリついてます。(笑)
これは「経済格差のある男女の恋愛がどれだけ難しいのか」ということを描くために、あえてシリアスな演出をしているのかもしれません。
不協和音のピアノの音が要所要所で流れるので、ちょっとビビります。
でも、最後の方は美しいやりとりを見れるので、救われます!
ベトナムの映画『青いパパイヤの香り』深夜の一人鑑賞がおすすめ
もう、本当に映像が好みすぎて、終わりそうな展開になってきて「終わらないで〜〜(´༎ຶོρ༎ຶོ`)」って電話しそうになりました。(誰に)
余韻がすごいのと終わったことの寂しさも相まって、観おわってからしばらく放心してました。
でも、19:00くらいに観ててもここまで沁みてなかった気がする・・
深夜から朝方にかけて一人で静かにゆるやかに観たい映画だと思いました。
これはあとから調べてわかったことですが、パパイヤから汁が滴り落ちるのをムイが見つめるシーンは、「男性との情事」を想起させる演出なのではないか?と言われているようです。
ほかにも細かな演出があるかもしれないので、その観点で観てみるのも面白いかも!
作品が素晴らしいことは間違いないので、ぜひ自分なりの楽しみ方を見つけてみてください!!!