モーニング娘。アルバム「16th~That’s J-POP~」最高です。毎日聴いてる女ヲタクの、全曲レビューを残します。
モーニング娘。新アルバムの聴きどころは?
モーニング娘。アルバム「16th~That’s J-POP~」は、2021.3.31に発売された16枚目のアルバム。
前作の『⑮ Thank you, too』から3年3ヵ月25日の間があいていて、歴代最長となります。
曲のラインナップはこんな感じ。
個人的に思っている聴きどころは3つあります!!!
① つんく♂さん節
「LOVEペディア 」と「人間関係No way way」以外は、すべてつんく♂さんが手がけています。
ハロプロ好きな人だったら「うわあ〜〜!!!」って地面からちょっと浮くようなフレーズが盛りだくさん。
とにかく歌詞がいい!!!!!
つんく♂さんのnoteでも、各楽曲のセルフライナーノーツが出ているので、読みながら楽曲を聴くのがおすすめ!
② 15期初のアルバム
15期(岡村・北川・山﨑)が初めて参加するアルバムです。
加入時からポテンシャルの高い3人ですが、それぞれの個性を爆発させて、ユニットでも大活躍。
ピュアな歌声を楽しめます!
③ 10年選手の真骨頂
10年選手4人+小田さくらが、いよいよ仕上がっています。
また一つ殻をやぶった5人の表現力の極みを、このアルバムから受け取れます!!
女ヲタによる、モーニング娘。新アルバムの感想・レビュー
それではここから、つんく♂さんのコメントをふまえて、私が感じとったそれぞれの曲の魅力を発表します!!
1. 愛してナンが悪い!?
メンバーからのラブコールも多かった曲。
「何」を「ナン」というタイトルからして、「つんく♂さんじゃん・・!!」ってなる曲。
つんく♂さんがこの曲にこめた「愛」とは・・?
「自分を愛し、他人にも無関心であるなかれ」という意味の“愛”なのですね。
私が最初に聴いたときの印象は、イントロからして期待感が高くてライブ映えしそうなリズム(ラップあり)なのに、「大根アクトレス」など歌詞のトンチキ感・・
推しの佐藤優樹さんの「ほぅ〜らもぉーっともぉーっとそう冷静でいーっぽいーっぽケッ!(行け)」のパートもそうだけど、「ケッ」とか「生きてら」とか音に気持ちよくハマる歌い方・・
今まではリズムに食らいついてくってイメージだったけど、リズムの方がメンバーの声についてきてるような感覚です。
そしてサビ最後の「OH 愛してナンが悪い」「常識は非常識」を15期で締めるピュアさ。
「常識は非常識」にはこんな意味もあるのだそう。
テンションも上がるし意志も感じる。最高。1曲目にふさわしい曲です。
2. ギューされたいだけなのに
69枚目、2020.12.16発売、15期のポテンシャルを知ったシングルでした。
「ウサギちゃんシンドローム」が話題でしたが、個人的には「青春エンドロール」が秀逸だと思いました。(ここ最近、ウサギちゃんシンドロームになってないからかもしれないですね・・)
ある種あきらめを感じるけど、「『青春エンドロール』って言っちゃう、余韻に浸ってる(浸ってたい)私・・」みたいな。(伝われ)
「結局、自分がかわいくて仕方ない」っていう“女の性”みたいな、ネチっとしたものをこの一言に感じました。
推しの佐藤優樹さんは、この曲の「ギュ↑ウのウが難しかった!」と言っていたので、そこも注目して聴いてみてほしいです。
3. 信じるしか!(歌唱:生田、石田、小田、加賀、森戸、岡村)
ユニット曲です。
私はこの曲を、つんく♂さんからメンバーへのメッセージを覗かせてもらってる気持ちで聴いてます。
「1番の強敵は 皆が知ってる最強のカワイイ私」
ここが特にそう思うところ。ハロプロのアイドルって王道というか歴史もあるから、プライベートでも勝手なことできないと思うんだけど・・
誘惑があったりとか、「ハロプロのアイドルなんだからこうじゃないと」ってファンに期待されたりとか、色々な葛藤がある。
それでも「最強のカワイイ私」でい続ける。これを10年選手の生田・石田(小田)に歌わせるのがエモいなと思いました。
そしてその背中を15期の岡村に見せるという・・(私は何を見せられているんだ・・)
メンバーいわく、この曲はダンスが難しくなるらしいので、石田・加賀・森戸といったダンスメンも多いなか、ライブでどんな風に展開してくのかも楽しみです。
4. TIME IS MONEY!(歌唱:佐藤、野中、横山、山﨑)
今回で一番好き!!!(推しのユニット曲というのもあるけど)
なぜなら、声選抜だから!!!(???)
完全に好みの問題だけど、私はこの4人の独特なこもったピュアな声(?)が大好きなのです!!!
力強く、はねるような「クレイジーベイビー」の歌い方・・
ハロプロで数多ある「クレイジー」「ベイビー」の曲の中で、一番好きな「クレイジーベイビー」!!!(最高を更新!!!)
タイトルは「ときは金なり」という意味ですが、これは2020年の夏、つんく♂さんが「時代の流れの早さ」や「コロナで身動きがとれない実体験」から生まれた曲らしいです。
人生で起こる「矛盾」のテーマがパワフルな音に乗ると、爆発力があるんだなと。
モーニング娘。’21 3/31 AL 「16th〜That’s J-POP〜」セルフライナーノーツ【前編】
サビの時間軸はこうなっているそう。
この法則が当てはまりそうなところが他にもいくつかあるので、これを踏まえて1番と2番の変化にも注目するといいかもしれません。
もう、最高!!!
5. 泣き虫My Dream
「もう・・私、昨日までとは」の佐藤さんの歌い方が最高なんですよ・・(佐藤さんばっかですみません)
ここはぜひイヤホンで耳に声を直接入れて味わってほしい。(誰)
我が子が遠くに行ってしまう寂しさと切なさ、でも心強くもあるような、色々な感情を揺さぶられる歌い方なんですよ・・そんな歌い方しないでよ〜寂しいじゃん〜!!!って足をバタバタさせたくなる。(誰)
歌詞も全体的に「不安でグラグラするけど、夢をつかむぞ・・」という自分との闘いが描かれているから、メンバーの軌跡と重なります。
ライブの終盤で、この泣きバラードをブッ込むんだろうけど、そんなの泣いちゃうから絶対やらないでほしい。(といいつつ、泣きの展開を期待している)
6. 二人はアベコベ(歌唱:譜久村、牧野、羽賀、北川)
アルバム唯一のかわいいソング。
カワイイと言っても、お姉さんのかわいさって感じがします。タンポポっぽい、ふわっと楽しい感じ!(牧野は「フローラルの香りがする」って言ってたけど、ちょっとわかるw)
「デートの日は二度くらいシャワーして出かけたい」を歌う羽賀をみて思ったけど、羽賀は正統派美人(?)な曲がすごく合う。
この曲も、最初に羽賀の声が聞こえて、しっくりくる感じがした!
個人的に好きな歌詞は「思い返せば君のこと ああ 理解できなくて 恋になった」。これ。
タイトルに「アベコベ」があるように、「違うからいい」ってことだとは思うけど・・
共通の趣味があるとか共感できるとか、「理解できるから恋になる」は結構あるけど、「何この人、まったく理解できないわ・・好き!!!!」ってなるってことですから、曲調はかわいらしいけど、あまのじゃく同士のスリリングな恋愛が始まる予感しかしない。(しかし、そういう人に惹かれる気持ちもわからなくはない)
岡村じゃなく北川がカワイイ系のユニットに選ばれてることも、お互いに幅が広がるからと思いました。
7. 純情エビデンス
「ギューされたいだけなのに」と同時に発表されたシングルで、ヲタクを「どっち派?」「どっちもいい」「だよね〜」とワクワクさせてくれた曲。
「純情エビデンス」・・純情の裏付け?と思いましたが、こんな意味があるようです。
妹にも言ってないけど、ニキビができて盛れない・・とかそういう悩みももう気にならないくらい、「気持ちは次のステージに行ってるんだ!」
そんな、モーニング娘。が新境地を突破するためのメッセージがこめられた曲です。
恋愛のことかと思って聴いていたけど、それを知って改めて聴くと、サビ終わりの「カワイイでしょうぉ」「生意気でしょうぉ」に本気の魂が宿ってるように見えてきて、メンバーがより愛おしくなる曲。
だって、一世を風靡したモーニング娘。が自ら「栄光は過去のもの 未来には適応外 しがみついていればいい」って言っちゃうんですよ!?? シビれません!??
モーニング娘。が殻をやぶるチャレンジを見せてもらっていることが改めて嬉しい。
8. このまま!
これは「ひなフェス」でライブしてて、ライブ映えする楽しい曲で、すごく良かったんだけど、佐藤優樹がいるver.がみたいです!!
歌詞は、つんく♂さんからメンバーへのメッセージだと捉えました。
「時間よ このまま止まれ 邪魔など許さない」これも、アイドルでいる時間は短いし先のことはわからないけど、今この場のパフォーマンスに全身全霊をかけてるんだよ!!という気概を感じます。
こういう明るい曲をそういう歌詞にされると、泣いちゃう・・(泣きすぎ)
リズムは、スピードが早くて、ライブで「オイ、オイ!」って言いやすい(笑)と思って聴いていたら、ピタッと落ち着かせる溜めがあったり・・
カラシを付けない551HORAIの豚まん・・独特な例えで笑いましたが、こういう理由で溜めをつくってるらしい。
メンバーもヲタクもつんく♂さんも、みんなで歳をとっていく、それを愛したくなる曲です。
9. KOKORO&KARADA
「人間関係No way way 」「LOVEぺディア」とともに発表された、2020.1.22発売の68枚目シングル。
ビジュアルとかMVは2曲が人気あったけど、音楽好きヲタクからは圧倒的にこの曲の評価が高かった印象。(ストリングスが生でサウンドが厚いから?)
15期にとって初のシングルだけど、歌うのがすごく難しそうな曲だと思いました。(サビの音数が少なくてリズムも取りにくそうだし、ダンスも激しい・・)でもそれをひょいと超えてきた15期の器用さがうかがえる曲です。
歌詞は、共存しているけど矛盾だらけの「心と体」がテーマ。
自分の弱さやわがままな部分を理解しているけど、サビ終わりの「君が好きさ」これだけは揺るぎない正解(本心)だとわかります。
自分の中で、この「正解」が見えていることが大切なんだと思いました。
正解が見えていれば、どんだけ迷いとか心と体の乖離が生まれても、それも含めて愛せるし、そこに向かって赴くままに突き進めると思うから。
はあ〜がんばろ。
10. 人生Blues
2019.6.12 67枚目シングル。
佐藤優樹が「人生Bluetooth」って言っちゃうことでお馴染みの曲です。
「恐(お)が(あ)る(う)な(あ)」のように母音を追っかけて歌うスタイルについて、つんく♂さんの解説はこちら。
音楽変態がでています。
歌詞は「今!?」ってタイミングで何かチャンスがきたときに、「つつがなくすればいいかな・・でも『只の人』『無難』で終わるよな」って思ったり、そもそも準備不足でつかみ損ねたりするっていう人生の大事な岐路について。
「第一線で活躍する人は、こういう思いで葛藤しながらチャンスをつかんでいるんだな・・」と脳内を半分に割って見せてもらってる気分。
なんとも自分ごとに昇華できないのが寂しい話ですが、「自分にもそういう場面がきたときのために、準備をしておくぞ!!!」とシャンとする歌でもあります。
11. Hey! Unfair Baby
モーニング娘。’19 秋ツアーで発表。
つんく♂さんが夢の中で作曲してできたらしいです(笑)
これなあ・・いいんだよなあ・・
すごく勇気をもらえる。
と同時に、「変わらなきゃ!」って15期に言われてしまう恥ずかしい大人でごめんなさい・・ってもなる。
つんく♂さんの曲って、「さっきまで近所のラーメン屋にいたのに、今宇宙にいるんだけど!」みたいなぶっ飛んでる曲が多いけど、この曲は「弱気な人に向けた手紙」みたいにストレートに現実を描いた曲だと思う。
「“たられば”ばっか言ってないで、もっと自分を大切にして前に進みなさい!」って背中を押される曲。
弱気になりやすい方に、きっと刺さる!!
12. 恋愛Destiny~本音を論じたい~
佐藤優樹の「結婚する!?」にヲタクが発狂したことで知られる曲。
しかしこれも、ただの恋愛ソングでおさまらない、壮大な歌詞となっています。
なるほど・・
相手に愛があるはずなのに慣れ(?)なのか愛がないようなそぶりをしてしまう。その矛盾に、自分でも「なんか変だ」って思うこと、たしかにあります。「あれ、もう愛がないのか?」って一瞬よぎるけど、「いやいや、愛はあんだよな」って(笑)
あと、成長にもフォーカスされてて、1番では「抜け出すチャンス」を伺ってるけど、2番では「はみ出すチャンス」を伺ってるんですよね。
つんく♂さんが「1番と2番では“論じたい本音”が変わっている」と書いていたけど、2番のヒロインは圧倒的に自分の視点を手に入れてるように思います。
1番はやや情緒不安定なんだけど、「でもやっぱり自分は諦めたくないし、なんかわかんないけど全部やったれ!って気持ちしか湧いてこない」っていう風に感情が移り変わってるように思います。
なんでそう思えるようになったかっていうと、「周りの人と差をつけて頭一つ抜けたい」っていう野心が原動力になっているんじゃないかなと。
これ、考えれば考えるほど、恋愛ソングから遠ざかってくわ(笑)
13. LOVEペディア 14. 人間関係No way way
2020.1.22 68枚目シングル。児玉雨子さん作詞です。
同じメロディで歌詞が違うという新しい試み。
「LOVEペディア」は15期のかわいさ満載の初MV、「人間関係No way way」はカエディーの覚醒曲だと思ってます。
「恋した しちゃった LOVEぺディア」って歌詞で、ふと「恋をした 寝坊した すべて見てきた地球」って歌詞を思い出しました。
地球 → LOVEぺディア(ウィキペディア)ってデジタルになってて、長く愛されている作品を今風のテーマでオマージュするやり方が現代アートっぽいと思いました。(実際は全然関係ないと思うけど、時代の流れやつんく♂イズムの継承を、なぜかここで感じました)
「うらはら」ってワードセンスが女性的だと思います。一言で端的に矛盾を表す、美しい響きの言葉。(アンジュの「Uraha=Lover」は山﨑あおいさん、Buono!の「うらはら」は岩里祐穂さんが作詞でした)
多分つんく♂さんなら「アベコベ」とか、それ以外のドロッとした感情的な表現を使う気がする。
こういうちょっとした言葉の違いを見るのも、面白いと思ったりします。
15. 青春Night
ついに最後の曲!!最後にこの曲を持ってくるのが最高にハッピーですよね。
2019.6.12、「人生Blues」と同時に発表された67枚目シングルです。
「私の人生、エンジョイ!!!」この歌詞から始まるけど、眠るのが怖い夜があったりする。ドツボの負のループから抜け出して「エンジョイするぞー!!」って曲。
ディスコサウンド×ラップもあって楽しいし、ライブでも盛り上がる曲。
つんく♂さんは「落ち込んでる時間がもったいない」ってメッセージをこめているみたいです。
日々移り変わるアイドル業界や、メンバーそれぞれの負の感情。
「ネチネチ考える夜、それも青春なんだぞ」「青春は楽しむものなんだぞ」ってメンバーの背中を押す意味で最後に持ってきてるんじゃないかなと推測します。
モーニング娘。新アルバムのまとめ
全体をとおして私が感じ取ったのは、もちろん個人的な体験とリンクすることも多くて励まされるし考えさせられる箇所は多いけど、総じて「つんく♂さんがメンバーに対して今後の期待をこめてつくった曲たちなんじゃないか」と思いました。
2018年のモーニング娘。の曲は「Are you Happy?/A gonna」とか「フラリ銀座/自由な国だから」とか結構攻めてて、他のアイドルとは一線を画すような尖った意志の強さを感じたけど・・
2019年以降の今回のアルバムは、15期の加入もあってか、原点に戻ってつんく♂さんの得意とする「あまのじゃくなヒロイン」にプラスして「意志のある一人の女性」の要素がうまく入り乱れていると思いました。
大きくは、「愛」と「夢」がテーマなのではないかと!!!
特に「夢」の部分は、「過去を背負うモーニング娘。」と、切り拓いてきた「今のモーニング娘。」、そして「これから新しいチャレンジをするモーニング娘。」、この3つの時間軸を、全部ぜんぶ自分たちのモノにしてつかみ取っていけよ!というメッセージを多く感じました。
もうさ、「アイドルなんだしどうせ王道の恋愛ソングでしょ」と見せかけて、ゴリゴリに哲学ソングなのホント推せる・・
ちゃんと紐解くと、恋愛のことって2割くらいしか言ってない気がします。でも、聴く人によってはちゃんと恋愛ソングに聴こえる。その塩梅も上手。(私がひねくれてて恋愛ソングがスッと入ってこないだけかも?)
つんく♂さん、やっぱ天才だよ〜〜〜!!!
3月にでたアルバムを、なぜ7月のこのタイミングでブログに書こうと思ったかというと・・
聴きこんで自分なりの解釈を持てるように、じっくり咀嚼したかったのもあるけど、なんか触れるのが恐れ多くて無理だった!(誰)
いま佐藤優樹が体調不良で休養してて、なるべくアルバムを聴いて心のつながりを一方的に感じていたいと思うけど、だからこそ聴いてて苦しいと思うこともあり。(なんなんだろう、この感情は)
つんく♂さんが岐路のことを歌詞に入れたりすると、どうしても「卒業フラグか!?」と勘繰ってしまう自分もいるのですね。
なむなむ。
3000字くらいでおさめようと思ってたのに、結局8000字くらい書いちゃってる・・(我ながらキモイ・・)ので、ここらで終わろうと思います!!!
さよなら!