週末、能町みね子さんの新著『結婚の奴』を買いに、新宿・紀伊国屋書店にいってきました。目立つところにドーンと韓国文学のコーナーが設けられていて、ジャンル別の棚にもちらほら見かけました。
韓国文学は装丁もかわいくて、タイトルとか目次もキャッチーで楽しいです。本を読んでいると、国民性が日本と似ていることに気づかされ、感情移入できます。
私が読んでよかったおすすめの本や、まだ読んでいないけど話題になっていて気になっている本など、おすすめの韓国文学をピックアップしてご紹介します!
もくじ
① 韓国のフェミニズム本『82年生まれ、キム・ジヨン』
チョ・ナムジュ著のフェミニズム本。2016年に初版発行されてベストセラーになった本ですが、海をこえて翻訳され、日本でも話題になったのは記憶に新しいですね。
キム・ジヨンが鬱になっておかしな言動をするようになったところから物語がはじまります。キム・ジヨンの人生になにがあったのか、時間を戻して回想がどんどん展開されていくストーリーです。
私も途中まで読んでいますが、最近やたら目にするようになった「フェミニズム」について私がおもうところは、読後にゆるい書評とあわせて改めて記します。
② ミンギュイスト続出の短編小説『カステラ』
韓国の人気小説家であるパク・ミンギュさん初の短編小説です。2005年に韓国で発売されると韓国でベストセラーになり、2014年に日本に上陸しました。
カステラ
ありがとう、さすがタヌキだね
そうですか? キリンです
どうしよう、マンボウじゃん
あーんしてみて、ペリカンさん
この目次が面白くて読んでみたところ、現実とファンタジーを行き来するような筆致が好みでした。テーマも「就職難」や「格差社会」、「若者の貧困」などがリアルに描かれているのでグッと引き込まれます。
③ イラストエッセイ「あやうく一生懸命生きるところだった」
この本はまだ読んでいませんが、韓国でベストセラーになっていて日本には2020年に上陸したばかりの注目の書籍なのでご紹介します。
「一生懸命生きない」道を選んだ著者・ハワンさんの、ゆるいイラストと共感できる本音の語り口が人気のようです。裏をかえせば、それだけ「一生懸命行きねば!」と肩に力が入っている人が多いということ。
「これ以上、負けたくないから、一生懸命をやめよう」「努力は、必ず報われるわけじゃない」など、肩の力がふっと抜けるような言葉がたくさんつまったエッセイです。
④ イラストエッセイ「私は私のままで生きることにした」
韓国のアイドルグループ・BTSのメンバーが紹介したことで60万部突破のベストセラーになったエッセイ。
「誰かと比較しないでありのままで生きるためのTO DO リスト」が書かれています。
たとえばこんな感じ。
✓誰かの期待に応えようとしてはいけない
✓自分以外の何者かになろうとしない
✓自分が輝ける場所で生きていく
✓すべての人に理解されようとしなくていい ・・
肩の力がふっと抜けるかわいいイラストつきの、自己啓発ジャンル(?)のエッセイです。
⑤ 感情のない16歳を描く泣ける小説「アーモンド」
韓国で40万部売れて、13か国で翻訳されているソン・ウォンピョンの人気小説。私はまだ読んでいないのですが、すごく気になっていて読みたい本のひとつです。
母は、感情がわからない息子に「喜」「怒」「哀」「楽」「愛」「悪」「欲」を丸暗記させることで、なんとか“普通の子”に見えるようにと訓練してきた。
「感情がわからない16歳の男の子」が怪物に出会って変わっていくという、謎めいた設定も面白いし、哲学の要素もあって勉強になる&結構泣けるらしいです。
⑥ 校閲泣かせの短編小説集「フィフティ・ピープル」
韓国文学をリードする若手作家による短編小説集。
物語の登場人物はなんと50人。めっちゃ分厚い本なので、正直読むのためらっていますが興味あります。
50人の登場人物たちが繋がったり繋がらなかったりして、物語はすすんでいきます。読後の感想のなかには、「全員の物語を覚えておけないから、相関図を書いてもう一度読み直したい」というコメントも。
「校閲者泣かせな小説」とはまさにこのことですね!
⑦ いじめられっこが人類の運命を決める「ピンポン」
「カステラ」の著者・パクミンギュさんの小説です。パクミンギュさんの文体が好みなので、次に読んでみたいとおもっている小説です。
学校でいじめられている中学生男子「釘」がスプーン曲げが得意な同級生「モアイ」と卓球をしていたら、空から巨大なピンポン球が降ってくるという内容みたいです。(どんな内容・・? 笑)
このかた、目次が毎回すごいおもしろいです。
ピン
ポン
ま、誰かはおごってやったってわけだよな
皆さん、うまくやってますか?
奥さんを借りてもいいかな?
1738345792629921 対 1738345792629920
気になります。
週末に韓国文学はいかが?
コロナの流行がなかなかおさまらないなか、「電車に乗ってどこかにでかけるのもちょっと・・」という方は、おうちでなにをしているのでしょうか? やっぱり「どうぶつの森」でしょうか?
「どうぶつの森」がひと段落ついたら、韓国の文学を読んでみてはいかがでしょう?
遠いようで近い、近いようで全然ちがう、おとなりの国の文化にふれるのもおもしろいとおもいます。