映画「花束みたいな恋をした」アラサー女ヲタクの感想

祝日。菅田将暉さん・有村架純さん主演の映画「花束みたいな恋をした」をふらっと寄り道ついでに観てきましたので、感想を残します。(※ネタバレありなので、映画をみた後に読むことをおすすめします)
 

 

映画「花束みたいな恋をした」の脚本・監督・出演

 

映画「花束みたいな恋をした」の脚本・監督・出演

 

映画「花束みたいな恋をした」の監督・脚本や主な出演者と配役はこんな感じ。

 

監督: 土井裕泰(代表作「逃げるは恥だが役に立つ」「カルテット」「涙そうそう」など)
映画脚本: 坂元 裕二(代表作「最高の離婚」「カルテット」「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」など)

山音麦:菅田将暉
八谷絹:有村架純

 

個人的にはドラマ「最高の離婚」「カルテット」が好きなので、楽しみにしていました!

 

私が観た会では、菅田将暉さん・有村架純さんのことが好きそうな、若年層のお客さんが多かったです。

 

映画「花束みたいな恋をした」あらすじ

 

映画「花束みたいな恋をした」あらすじ

 

ざっくり、サブカル大学生・麦くんと絹ちゃんが運命的な出会いをして付き合ってから、社会人になって別れるまでの5年間を描いたものがたりです。

 

ひとつのシーンで2人の考え方がたたみかけるように交差しあう、テンポのよい見せ方で、上映時間はあっというまに感じられました。

 

映画「花束みたいな恋をした」の楽しみかた

 

映画「花束みたいな恋をした」の楽しみかた

 

これから観る方の予備知識として、映画をもっと楽しむための見方を2つ紹介します。

 

ラブラブカップルで観たら死ぬ

 

お察しのとおり、ラブラブ → 別れの流れがリアルな描写で描かれているので、付き合いたてのラブラブな状態のカップルで観たらかなり気まずくなると思います。

 

ひとり or 友達と観るのがおすすめ!

 

「パートナーをもっと大事にしよう」とひとり心に誓って帰宅するくらいがちょうどいい気がします。

 

サブカルあるあるとか固有名詞を知る

 

「押井守」「穂村弘」「天竺鼠」など、固有名詞がとにかくジャンジャンでてくるので、知っている方が没入できると思います。

 

固有名詞以外にも、マイノリティな人間の不器用さがでてしまうシーンも描かれています。

 

映画「花束みたいな恋をした」の楽しみかた

 

たとえば絹ちゃんのお父さんに「ワンオク好き?」と聞かれて「聴けます」と言う麦くん。

 

日本の若い子なら誰もがワンオク好き”前提で話す絹ちゃんパパに、「全然いいと思っていないが聴くことはできる」というマイノリティカウンターを決めこむシーンは笑えました。

 

「花束みたいな恋をした」の感想

 

「花束みたいな恋をした」の感想

 

泣ける、マスクがべちょべちょになるほどに泣ける・・と伺っていたけど、私は冷めてしまうところも多くて泣けずじまいでした。

 

よかった点といまいちだった点を、いちアラサー女ヲタクの感想として残します。

 

誰もが共感できる構成

 

2015年にミイラ展が開催」のように、時系列を追ってイベントが整理されているので、わかりやすいしリアリティがあります。

 

「あー、そのイベント行ったわ」「そのゲーム好きだったわ」と、誰もが何かしらの固有名詞にひっかかって懐かしくなるはず。

 

共感をする女性のイラスト

 

恋愛の描写にしても、ひとつのものごとに対する男女両サイドからの意見を並行してみれるので、男女問わず共感できるところが多いと思います。

 

ドラマ「カルテット」のマキマキさんと旦那さんの、たたみかけるような掛け合いの回想シーンを彷彿とさせる、爽快さがありました。

 

どこかの描写が誰かに必ず刺さるつくりになっているのは、おもしろいし画期的だと思います。

 

固有名詞だしたがりのサブカルミーハー感

 

気になったのは、固有名詞の多さを羅列しているだけで、対象への愛を語るシーンが少ないこと。

 

ミイラ展の感想にしても、別れる前に乗る観覧車でわざわざ思い出してまで言うなら、どこがそんなによかったのかを詳しくプレゼンしないシーンがないと納得できません。

 

固有名詞だしたがりのサブカルミーハー感

 

オタクって、せっかく推しの話ができる相手が現れたなら、1の話から100の話に展開させないと勿体ないと思う生きものなんですよ・・(だからなるべく時短するために早口なんだと思うw

 

たとえば「佐藤優樹さんいいよね~」なんて言われたもんなら、興奮もそこそこに「その話、くわしく」ってなる。

 

ハロプロで例えると「ライバルサバイバル」「まーどぅー」「ビビナイ」みたいな表面的な固有名詞だけで、あそこまで盛り上がれるのは逆に不自然です。

 

だけど、お互いに読んでいる本を交換しあうというのは推せる。やりたい。

 

麦くんの切り替えの速さ、光

 

麦くんと絹ちゃんは、お互いにサブカル熱がMAXのときに出会っています。

 

まずはこの汚い図表を見てください。

 

図表

これは麦くんと絹ちゃんのサブカル愛を、時系列ごとに表した図表です。(あくまで個人的な見解です、参考元などはありません!)

 

2人が就職してから、徐々に心の距離が離れていきますが、どう考えても麦くんのサブカル愛が圧倒的に足りていないことが原因な気がします。

 

まずは絹ちゃんのサブカル愛の図表から。

 

絹ちゃんの図表

 

絹ちゃんはこんな感じで、安定してずっと好きなものを追ってるんですよね。

 

就職先も、低賃金だけど自分の趣味をしごとにしていて、人生を趣味に振り切って謳歌しようとしている。

 

対して麦くんは、就職した瞬間に一気にサブカル愛がキンキンに冷えるんです。

 

麦くんの図表

 

そんなことあります?

 

そんなに音楽だの映画だの詩だのに愛情を持つ人が、いきなりブラック企業になじめます?

 

リアル麦くんならきっと、「クソみたいな仕事だな、俺は本当はもっと自由でいたいのに・・」と悶々として、サラリーマンなどやってられないと思うんですよね。

 

絹ちゃんとの将来を安定させるためとか言ってるけども、エゴやん!

 

お金稼ぐことが気持ちよくなってしまっているやん!

 

そして、別れた瞬間にしれっとサブカル愛が復活しているあたりも怖い。

 

そこで確信した。これは恋愛映画ではない、ブラック企業の怖い話だ。

 

日本社会のしくみにゾッとする

 

けど絹ちゃんの親からのプレッシャーがあったために、麦くんが気持ちを切り替えたとしたなら、それは麦くんのせいではなく日本社会のしくみのせい。

 

きっと絹ちゃんの両親も「優良企業に勤めることがしあわせ」だと教えられて育ったのだろうなと。

 

だから絹ちゃんにしあわせになってもらうには、麦くんにも優良企業に勤めてもらわないと困るという押し付けが働きます。

 

日本社会のしくみにゾッとするイラスト

 

麦くんと絹ちゃんはその教えに違和感を持つけども、結局生きていくためには違和感がある方を選択しないといけないんですよね・・

 

日本社会って酷だなと改めて思いました。

 

若者のリアルに絡めて、不自由な社会のしくみが露呈されているような気がしました。

 

ファミレスでのお別れシーンも泣けない

 

・・などと麦くんや社会のしくみに苛立ちながら観た結果、すすり泣く声が場内に響きわたるファミレスでのお別れシーンも、冷やかな目で見てしまいました。

 

麦くんが泣きながら、「オレたちまだやり直せるよ!」といっているとき、私が絹ちゃんだったら「いまさらなんか言ってるわ・・ファミレスでそんな感じにならんでよ・・」と右から左に流れてしまう。

 

絹ちゃんのイラスト

 

付き合ってるときも他人だけど、別れを決めた時点でもう本格的にただの赤の他人だからな。

 

冷めすぎかもしれないけど、恋愛にかかわらずものごとを俯瞰して見るクセがついているから、こればっかりは仕方ない。

 

ファミレスでたまたま似た境遇の大学生カップルに居合わせるというのも、リアリティがないです。

 

たぶん、ここが一番の泣けるシーンだと思うのですが、ありえなシュール展開すぎて「笑うとこ?」と思ってしまったくらい。

 

いっそ“んなわけ”を突き抜けて、ギャグっぽくしてくれた方が感情移入できたかもしれないです。

 

「花束みたいな恋をした」は求めている恋愛映画じゃなかった

 

「花束みたいな恋をした」は求めている恋愛映画じゃなかった

 

個人的には、もしかすると恋愛映画に対して、リアリティのある恋愛描写を求めてないのかも。

 

単純に、自分とは1ミリも重ならない世界線で起こっている恋愛に興味があるのかもしれない。

 

セックスアンドザシティのセレブの性生活とか。

 

ドラマ「カルテット」で叶わない片想いをする、すずめちゃんのクリスマスシーンのような、切なくてギュッとなる展開とか。

 

(山下達郎さんの「クリスマスイブ」がBGMで流れるJR東海のCMを、もっとおいしくして尺を伸ばしたような、最高に切なくてエモーショナルなシーンがあるんです!)

 

泣く女のイラスト

 

そのシーンばかりは、つくりものだと分かっていても、すずめちゃんを守りたくて大号泣してしまいました・・

 

あれ、これ、私がただの3次元では夢みれない人間なのかもしれなくなってきた。

 

解説<感想を聞きたくなる映画

 

いつも映画を観たあとは宇多丸さんや町山さんの映画解説を聴くのだけど、この映画は解説じゃなくて観た人の感想が気になりました。

 

100人観たら、100通りの感想が聞ける映画なのではないかと思います。

 

その人の属性とか職業、恋愛を含む人生の状態によって、見えたものが違うんじゃないかなと!

 

そういう意味で、みんなの特別になれる映画なのかもしれないですね。