「山田五郎 オトナの教養講座」で、山田五郎さん×中田敦彦さんのコラボ動画が公開されました。
テーマは「バンクシーの作品の価格はどう決まる?」
気になった方はぜひ、動画を見るorこの記事を読んでみてください。
個人的に行ってきた「バンクシー展」の様子をのぞきたい方は、こちらの記事もぜひ!
\ 「バンクシー展」でグサグサ刺さりちょっと泣いた話。ー /
もくじ
バンクシーはスゴイ戦略家【山田五郎Youtube】
五郎さん曰く、バンクシーは作品もさることながら“セルフマーケティング戦略”がうまいのだそう。
通常、作品の値段が上がるセオリーは、まずは作品の値段を動かすレベルの画廊(世界に5つぐらいしかないらしい)が作品に目をつけて、その作品が美術館に展示されるとまた値段が上がる…というもの。
でもバンクシーは、画廊と契約したり美術館に展示されたりすることなく、自力で価値を演出しています。
バンクシー作品、価格急騰のカラクリ【山田五郎Youtube】
バンクシーのアート史を紐解きながら、どのような戦略でバンクシー作品の価値を高めていったのか、ポイントを押さえていきましょう!
1990年:英ブリストルで活動開始
2000年:ロンドンでステンシルアート(型紙×スプレー)をスタート
2005年:有名美術館に勝手に作品を置くゲリラ展示や、ベツレヘムからイスラエル側にに手榴弾ではなく“花束”を投げ入れるアートでブレイク

2006年:この年、アメリカに進出。パリスヒルトンの偽アルバムを作ってタワレコに置いたり、ロスのディズニーランドでゲリラ展示を行うなどプロモをする。
その後おこなった倉庫の展示では、ブラピ夫妻やアギレラなどのセレブたちがこぞって落札(このとき、かつみさゆりもバンクシーを数十万円で買ってるらしいw)
2010年:物販購入を促す美術展示を皮肉った映画『Exit Through the Gift shop』を監督
2015年:ディズニーランドのパロディ『ディズマランド』や、アミューズメントパークのパロディ『でミューズメントパーク』を展開。イギリスの現代アーティスト・ダミアンハーストを巻き込む。
2017年:ベツレヘムに世界一ながめが悪い「walled off hotel(壁で分離されたホテル)」を建設。NYの高級ホテル「ウォルドルフ=アストリアホテル」をもじっている。
2018年:サザビーズで1.5億円で落札された絵を、落札と同時にシュレッダーにかける
2019年:退化した議会を描くアート作品が13億円で落札

2021年:シュレッダーにかけた少女の絵をモチーフにした作品が、サザビーズで25億円で落札
この年表を見終えて、筆者は静かにこう思いました。
「バンクシーが作っているのは、アートでありニュースだ!」……
バンクシーのイタズラな仕掛けのサプライズ性と、社会問題を解決してきた功績が、価値になっているのですね……(納得すぎる)
バンクシーの売り方は、アーティストの選択肢になる【山田五郎Youtube】
山田五郎さんは、バンクシーの売り方に「複雑」な心境なのだとか。
バンクシーもチームで動いてはいるけど、本来アーティストはアーティスト業に専念して、売るときはエージェントを頼れるようになった方がいい。
だから他のアーティストは作品づくりだけに集中してほしいというのが五郎さんの考えです。
とはいえアーティストが食えない状況があるのも事実だから、一つのロールモデルとして戦略を参考にするのもアリだといいます。
バンクシーは業界からの評価ではなく、圧倒的な大衆人気を勝ち取ることでここまできたアーティストだから。
ただし、同じストリートアートでバンクシーよりいい作品だったとしても、ビジネスのベクトルで戦えなければバンクシーには勝てないのです。
バンクシーから、アーティスト×お金の話に【山田五郎Youtube】
最後に2人は、「アートでお金儲けすることを、真のアーティストは嫌がる」というテーマでお話。
アーティストはお金儲けや富裕層を嫌がるけど、低所得者をターゲットにした薄利多売の商売は、結局のところ低所得者自身の首をしめることになるという悪循環を指摘しました。
その流れで五郎さんは、「日本には富裕層向けの高級ホテルが少なすぎる」「富裕層は稼いだお金で昔の商人みたいに橋を作ったりしてほしい」「前澤社長は買った作品を美術館に寄託してほしい」など、富裕層の粋なお金の使い方について言及。
アートと経済を両立させたバンクシーがテーマだからこそ、五郎さんのお金哲学が聞けたと思います。あ〜バンクシーはどこまでもスゴイ……ほんとにスゴイ……