東京・京橋にある「アーティゾン美術館」に行ってきました。アートファンにとって天国でした!展示内容や楽しみ方を残します。アーティゾン美術館が気になっている方や、アート好きで美術館巡りをしたい方はぜひ見てみてください。
もくじ
2020年にリニューアルした「アーティゾン美術館」
65年以上も続く「ブリヂストン美術館」が、2020年1月に「アーティゾン美術館」としてリニューアルオープンしました。
創設者は印象派の絵画を中心にコレクションした石橋正二郎さん。
現代アートから西洋画まで揃う、特別なアート体験ができる美術館です。
オシャレで都会的な館内
アーティゾン美術館、外観から都会的でとてもカッコいいです!
「あれだな!」とすぐわかるくらいの存在感。
鼻息荒めで入場。
早速、館内のデザインにうっとりします。
建物自体がアートです。
展示スペースは4F・5F・6Fの3階構成で、上の階から降りてくるようにして順に展示を見ていきます。
下に降りてきて上を見上げると、階をまたいで空間が繋がっているところがあることに気づきます。
展示はもちろん、建物自体にサプライズがあって、そこにいるだけでワクワクしますよ!
入場料、破格・激安すぎて不安になる
全部で3つの展示を見れるのですが、(しかも絵画ゾーンがめっっっちゃ濃厚!)オンラインからの申し込みで1,100円(税込)。
当日券をカウンターで購入しても1,500円で3つの展示を見れるので、お安すぎると思いました。
一日いれる。
「美術手帖」の副館長・笠原美智子さんのインタビュー記事によると、未来に向けた美術館にするべく、学生の入場料金を無料に設定したのだとか。
アートは誰にでもひらかれたものだと、背中を押してくれるようなお値段設定にも、心意気を感じます。
6F:ジャムセッション「鴻池朋子鴻池朋子 ちゅうがえり」
こちらは2020年10月25日で会期が終わってしまった展示ですが、鴻池朋子さんの「ちゅうがえり」という展示です。
石橋財団コレクション×現代美術家でつくられる展示「ジャムセッション」の記念すべき第一回。
展示の内容の一部を、ちらっとご紹介します!
目をギャンと見開いた人間や獣?の作品が多かったです。
こちらは彫刻。
吸い込まれそうになるほど、パワフルで力強い眼力。
ひたいの部分が、蜘蛛の巣みたいに入り組んでいます。
彫刻だからこそでる躍動感があって、ずっとみていると今にも飛び出してきそうな迫力です。
湖の底に人間の顔が浮かぶ作品もありました。
地球が泣いているのかな・・?
たぷたぷとした水中を見るのが気持ちよい。
キツネ・クマ・アザラシ・・北海道でよく目にする動物たちの「毛皮」を使った作品たち。
亡くなった動物そのものから皮を加工する「なめし」の仕事まで、リアルな動物と人間のかかわりを目の当たりにしました。
足・・
歩いた場所まで想像してしまう、生なましさがある。
動物の皮同士をぬいあわせたり、切ったり貼ったりする展示もあって、少しショッキングな展示内容ではあります。
動物への愛があるからこそできる作品。
地球の自然な循環、環境問題、人間の欲求とか、この展示を見ている間中、ぐるぐる頭をかけめぐりました。
切り紙の影が壁に投影される展示もあります。
一見かわいいけど、よく見ると切り紙のカタチが攻めている。
小学校の頃に切り絵つくっていたので、どこかなつかしい感じがします。
なつかしいといえば、こういう風に布をペタペタ貼る絵、なつかしくないですか?
作者の体験を元にしたワッペンのようなかわいらしい絵がたくさん飾られていました。
これイイなあ〜・・
かわいらしさと渋さがある!
5F:音がなるイス「宇宙の卵」
イスに座ると、繋がっているリコーダーなどの楽器から音がでるしくみです。
科学者などが集まってつくった画期的なしくみのようですが、高度すぎて私は理解できませんでした。
童謡に出てきそうな物語が壁に書かれていたので読んでみたのですが、まじでわからない。
4F: 石橋財団コレクション

19世紀〜20世紀初頭のフランス絵画を中心とした、創設者・石橋正二郎さんの絵画コレクションをみられます。
印象派の有名な画家の作品がたくさん展示されているので、西洋画好きにたまらない空間です!
現代アートをみたあとに西洋画展示をみると、「ただいまー!」って絵を抱きしめたくなる。(笑)
なぜかホッとします・・

ルノワールの作品は、まだ近づく前から、ただならぬオーラを感じます。
いたずらに微笑む女の子。
足を組んでいてちょっと猫背ですが、身につけているものや色づきのよい“ぽってり”としたほほから、品格を感じます。

世界に2点しかないといわれるマネの自画像もありますよ。
ものものしい色味の背景も相まって、気難しそうな雰囲気のたたずまいです。

ほかにも、セザンヌ・ドガ・ピカソ・マティスなど、時代の枠をこえて活躍した画家の作品が多数展示されています。
ここだけで、1日いれる。
日本の伝統工芸の展示室もあります。
この部屋は厳かでかっこよかった。
日本のアートが世界的にみて“先進的”といわれるのも納得。
日本人は、美意識が高いし、センスがよい!
印象派の女性画家たち
印象派の女性画家にフォーカスした特別展示もありました。
副館長・笠原美智子さんはフェミニストで、女性アーティストについて意識的に収集を進めていたのだそう。
展示をみると、当時いかに画家になる女性が希少だったのかがわかります。

男性が描く女性よりも、女性が描く女性の方が表情が“ふくよか”な気がする。
内なる強さやたくらみまで垣間見えるよう。

印象派の画家は「ベルト・モリゾ」の紅一点だと思っていたので、存在を知れて作品をみられて、豊かな時間でした。
パウル・クレー特別展
パウル・クレーは20世紀前半を代表する画家。
特別展示では、25点の作品がみられました。
キュビズムともフォービズムともとれる作品が多くて、セザンヌをみるときと同じ心地よさを感じます。
クレーの絵のなかは、色使いが派手だったとしても、とても静かなんですよね。
数学とか化学とか、人間が一切介在しない静かなものに、人間の“きもち”をちょろっと足した感じ。
私は思いっきりフォービズマー(?)なので、最初は苦手意識があったけど、じっと向き合ってみてみると面白かった!
数学とか化学とか好きな方、ピカソ・セザンヌの絵が好きな方は好みかも知れないですね。
アーティゾン美術館はパワフルなアートスポット
アーティゾン美術館は、伝統・文化について必ず気づきを得られる美術館です。
古くから残る文化とか普遍的な題材を踏襲しつつ、新しいチャレンジをしていると思いました。
基本は自由に撮影できるので、(展示によってはできないかもなので要確認)カメラ好きの方にもおすすめ。
自由な発想で楽しんでみてください!